
失恋と社内の内紛で心も体もくたくたになった涼香。
バカンスで沖縄に向かおうとするも
有能な秘書が手配した旅先は女満別。
その女満別で彼女は一人の女性ライダーと出会う。
ハーレーを乗り回し、
ハーレーのカスタムビルダーとして働くその女性、なぎ。
愛車の名は『さいはて』。
さいはてとなぎと旅をする涼香は少しずつ心も体も癒されて
また明日から頑張らなくては、と強く心に思うのである。
ここに出てくる女性は
どの女性も男社会の中でそれなりの地位や名誉や金を手にした女性たち。
だが、ちょっとしたことで、躓き、傷ついた心を癒しに旅に出る。
そしてその旅で、もう一度自分を見つめ明日を頑張って生きていこう、と
強く心に決めて日常に戻っていこうとする女性たちばかり。
その描き方が結局はステレオタイプなんだよね。
でも、なんだかかっこよさが目立って
こんな生き方でもいいじゃん、って応援したくなる女性たちでした。
原田さんの描く女性は、こんな女性が多いような気がします。
理想なのかな。
女性が読んだらどうか分からないけど、
男から見ると何だかきらっとしている感じで悪くはない。
この物語の最初と最後に出てくる
なぎの存在がこのすべての物語をさらに引き締めている気がします。
そしてそのなぎの物語もすごく心に染み入る話でした。