
高校時代までバレーボールに熱中していた「私」は
練習試合での敗戦に、その敗戦の原因である選手に対して
手厳しい言葉を投げかける。
そして翌日、その少女は自殺してしまう。
遺書もなく原因も分からなかったけれど、
周りは「私」のせいだという態度を取り始める。
その態度に耐えられなくなった「私」はバレーを辞め
大学も故郷から遠く離れた大学に入学し、そして講師として
ある高校で働き始める。
心に傷を持つ「私」=清がたった一人の文芸部員「垣内」くんと
過ごすことで
心の傷を癒し、新しい生活へ飛び出していくまでを描いた秀作です。
「垣内」くん、いいね〜。
「垣内」くんとのやり取りを通して
文学へ目覚め、高校教師として新たな一歩を踏み出していく。
その経過がとても清清しくて
読んでてほんわかした気持ちになります。
不倫相手との恋愛も描かれますが、
相手の最後の言葉「困るんだよな。」が二人の関係の脆弱さを
見せ付けたようで、ここだけが暗く沈みがちになりますが、
全体的に良く出来た、本当に教壇に立っている瀬尾さんらしい
作品です。
この物語の最後のほうに
「教師は特別な存在でもないし友達でもなんでもない。
ただの通過点に過ぎないんだなって。
それでいいんだと思う。
それがいいんだと思う。」と出てきます。
まさにその通りだと思う。
勘違いしないで、今目の前にいる生徒たちのことを
しっかり見ておこう、と改めて思わせてくれる言葉でした。
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