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Author:す〜さん
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うたうひと   〜小路 幸也〜

utauhito.jpg

歌や音楽に関連する短編集。

誰の世界にも歌や音楽がある。
自分の経験や体験を歌や音楽と共に覚えている人も多いだろう。
ある歌を聴いて
あの頃は〜、とすぐに思い出すことだってある。
そんな身近な音楽を
さらに身近に感じることの出来る1冊。

どの作品も深く音楽に携わっている人たちの物語なので
共感できる部分ていうのは
少ないかもしれないけれど、
その根底に流れているものは
みんな同じだろう、と思う。

最初の数編は少しずつリンクしあいながら
後半の物語は独立した形で
書かれている。
最後の1編はドリフターズをモデルにしたもの。

ここでの「うたう」ひとというのは
歌うという意味だけではなく
心の思いを伝えること、のような気がします。

21 twenty one   〜小路 幸也〜

21.jpg


21世紀最初の年に21歳になる21人の仲間。
その言葉から始まった21人のクラスメートは
固い絆で結ばれていた。
そう信じていた。
しかし、仲間の一人が懐かしい教室で自殺した。
理由は?
それぞれが「もしかして・・」との思いを抱きつつ
通夜に集まる。
その後の教室での語らいの中で
仲間の死の真相を探る。

悪くはないと思う。
しかし、21人の人間がいて
全員が仲間としての絆をずっと持ち続けて行くことが出来るのか?
少し、鼻白む感じを受けたのも正直なところ、ある。
21人の仲間といいながら、メインになるのは数名で
結局数合わせなのか!?という気持ちも起こる。
実際に裏切られている人たちもいるし。

まぁ小説だしね。

ちょっと心に引っかかるのは
『モーニング』と同じかな。
最後までもやもやとした感じが残って
すっきりとは行かなかった。
まぁ、内容が内容だから、すっきりは行かないだろうけど。

ここに2人の教師が描かれる。
おそらくこの二人は
『教師』としては失格だと思う。
特に男の教師は・・・。
そういうのもありだとは思うけど、
やはり、この仕事には就かない方がいいかな・・・と思った、です。
小説でこういう風に描かれると
なんか哀しくなりますね・・・。

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東京バンドワゴン スタンド・バイ・ミー   〜小路 幸也〜

standbyme.jpg


LOVEだねぇ〜。

待ってました、の新作です。
今回も堀田家には様々な問題が持ち込まれます。
が、
この堀田家には
そんな問題も、たいしたことではないんですよね。
家族の絆の強さ、
それをしっかり思い起こさせる作品です。

何よりも語り手のサチさんからいいですよね。
亡くなった後も、家族のことが心配で
時々入れる我南人へのツッコミもLOVEがこもってます。

さて、今回は青の出生の秘密を嗅ぎまわられたり、
かなりの危機的場面もあるんですけど、
しっかり乗り越えていってます。
その時の青の言葉にグッときました。
いつか池沢さんと親子の対面をして欲しいな、と思います。

今回、いつも影が薄い(?)紺がメインになったり、
色々活躍してます。
すずみさんも古本屋として凄みが出てきちゃうし、
真奈美さんの恋物語や
新しい登場人物。
本当に読んでいて心がほっかりする作品でした。

まだまだ続きそうな勢いです。
というか続けてください!

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モーニング   〜小路 幸也〜

mourning.jpg


morning ではなくて mourning
朝 ではなくて 喪。

大学時代の親友の葬儀に参列した4人。
そのうちのひとりが「自殺をする」と告げる。
それを止めるために残りの3人は福岡から横浜までの
ロングドライブを決行する。
その中で思い出される大学時代の懐かしい日々。
5人で共同生活をしていたときの
思い出の中から、自殺を止める糸口を探そうとする3人。

その思い出話の中で
お互いの気持ちの中に封印してきたものも浮かび上がらせる。

忘れたわけではないけれど、
心の奥深くに封印してきた出来事、そしてそれぞれの想い。

3人は仲間の自殺を止めることができるのか・・・。

大学時代の親友たちが20数年ぶりにそろう。
仲間の一人の葬儀に出るために。
それぞれがそれぞれの生活を抱え、
全員が揃うのは20年ぶりのことだった。
もう全員が揃うことがない悲しみを抱えながら
自殺をするという仲間の真意を探りながらのロングドライブ。

その結末はなるほど、と思わせるものだった。
亡くなった人を偲ぶのは当然だけど、
それぞれの生活があるがゆえに
その偲ぶ時間も場所も限られてしまう。
思い出してあげることが、話をすることが、最大の供養かも知れない。

自殺を言い出した仲間の真意は、本人にしか分からない。
しかし、残された4人の気持ちを一つにするには十分だった。
そして語られる大学時代の、青春時代の思い出話。
40半ばになっても、その当時のこと色んな思い出を話すことができる
そんな関係がうらやましくも思えた。

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うた魂♪   〜小路 幸也〜

utatama.jpg


映画のノベライズ版。

映画はまだ公開されてないんだけど、
高校生の役をゴリ(ガレッジセール)がやるのってどうよ?
まぁ似合わなくはないけど。

薬師丸ひろ子とともさかりえがそんなに年の離れていない
先輩後輩ってどうよ?
かなりの年の差があると思うんだけど・・・。
まぁ、映画バージョンは置いといて。

小説としては
あっという間に読めてしまうものでした。
小1時間もあれば・・・・。

合唱って言うのが下地にあるんだけど、
色々詰め込みすぎたかな?って感が否めない。
もちろん映画を基にしているので
それはしょうがないとは思うけど、
もう少し的を絞って書ければ良かったんじゃないな?
ちょっと散漫すぎる気がしたのがもったいない。

もしくはもう少しオリジナルを強めて
それぞれにもっとスポットを当ててみるとか。
そうしたら逆に厚みが出て、面白くなったかなぁ〜と思うんだけど。

全体的に面白くないわけではないんだけど、
後一つ、何かがなりない、そんな気がした作品でした。

映画は・・・・
薬師丸ひろ子が出てるので見るかも(笑)

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高く遠く空へ歌ううた   〜小路 幸也〜

takaku.jpg


『空を見上げる古い歌を口ずさむ』の続編?第2弾?
「解す者」と「解される者」の存在がこの物語でも
出てきますが、
それは後半のお話で。
前半は
何故だか死体をよく見つけてしまう少年ギーガンを中心とした
少年少女たちの青春物語、もしくは学園物として読めるものです。
その中に事件があって
その事件を巡って核心に迫って行くのが後半。
ただ後半があっけなかったなぁ〜、という印象。
だから前半の物語にどうしても目が行きがちです。
ギーガンが死体を見つけてしまうのは
結局「解す者」と「解される者」と関係があるのか、
何故ギーガンにその能力(?)があるのか、
すべて「解す者」「解される者」で片付けられているような気がして
勿体なかったなぁ〜。

というのが印象でした。

ノスタルジックな雰囲気はたっぷりあるんだけど
今回はあまりそれに乗れなかったなぁ〜。

カレンダーボーイ   〜小路 幸也〜

calender.jpg


2006年、安斎と三都は同じ大学で働く同級生同士。
その二人が1968年小学校5年生のころに精神だけタイムスリップしてしまった。
二人の身に一体何が起こったのか?
20世紀と21世紀を行き来する二人は
一家心中してしまった同級生を救おうとする。
その原因になった3億円事件の3億円を奪うとともに・・

小学生になった二人は少しずつ過去を変えて行く。
三都は同級生の命を救うため。
安斎は使い込まれてしまった公金を補填するための3億円を強奪するために。
しかし、過去をいじれば、当然のごとく、その結果が現在にも波及する。
それでも二人は二人の目的をかなえるために
20世紀と21世紀を行き来する。

そして結末は・・・。

最後が非常に切ないです。
同じ人間なのに、
それまで一緒に同級生を救おうとしていた人物とは
微妙な違和感がある。
同じ記憶を共有していた二人の運命は
ちょっとした違いで変わってしまった。
お互いが胸に虚無感を抱きながら
これでよかったのだろうか、と、
いやこれでよかったんだ、と無理に納得させているような・・・。

正直細かいところで、
これはないだろう?ってところもある。
しかし、それをおいても最後まで一気に読ませるだけの
面白さはあった。
この先どうなるのか、
ドキドキ感とワクワク感。そして不安感。

決して過去に戻ることはできないけれど、
誰だってそんなことを夢想したことは絶対あるはずだ。
ただ、この作品の場合は精神だけが過去にタイムスリップしていて
かなりもどかしさを抱えながらのタイムスリップだったけど。

最後は本当に虚しさと寂しさとそんな思いを抱きながら読み終えました。

なかなか面白い作品でした。

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シー・ラブズ・ユー   〜小路 幸也〜

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下町の古本屋を舞台にした『東京バンドワゴン』の続編。

読み終わって、さて何と感想を書こうか、と。
もう何も言えないくらい
幸せな気分です。
第2作目ともなると第1作目がなかなか越えられないものだけれど
この作品に関しては
その心配もなかったかな。

全4編からなります。
堀田家の1年を描いてます。
冬には赤ちゃんが置き去りにされ、
春には恋のバトルが
夏には幽霊が
秋には新しい命が。

どの話も心があったかくなり
胸がキューンとなる。
特に夏の話は本当に涙が。
勘一の言葉にグッと来ました。

大家族の物語なのに、
家族みんながちゃんと存在感が大きくて
(小説の中では紺の存在感が薄いなんてありますが)
ちゃんとキャラが描ききってあるのがいいですよね。
これからは登場人物も増えていくし、
さらに大騒ぎになっていくような気がしますが
もっともっと続編を読みたい、と思う作品です。

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