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ゴールデンスランバー   〜伊坂 幸太郎〜

golden.jpg


いいっすね〜、この作品。

ケネディー大統領暗殺事件を髣髴とさせる首相暗殺。
その犯人に仕立てられた青柳。
いったい誰が何のために首相を暗殺し、
青柳に濡れ衣を着せたのか。
その真相は?

青柳が逃げる2日間を軸に
事件の3ヵ月後や20年後が語られるけれど、
メインは事件とその後の2日間にわたる青柳の逃亡の顛末である。

息つく暇もないほどテンポよくストーリーは展開し、
さすがの伊坂ワールド健在です。
複線やちょっとした会話のやり取りが非常に心地よく
読んでいて時間を忘れるほどでした。

物語に絡んでくる警察やマスコミ、そして常に周囲を監視するセキュリティーポッドの存在。
何が怖いってこういったものが怖い。
ちょっとした情報でいとも簡単に人一人を暗殺者に仕立て上げ、
周りの人間から正しい物を見る力を奪っていく。
もちろんそういったものに踊らされない人たちもいるわけだが、
たいていは警察が言ったこと、マスコミが言ったこと
鵜呑みにしてしまう傾向があるな、と。

何が正しくて何が間違っているか、情報は正しく自分の目で判断していかなくては、
なんて思い知らされた作品でした。

青柳が犯人ではないことを信じ、
助力した人たちの存在が大きかった。
そして青柳本人を知らずとも
彼を助けようとした人たちの存在。
悪い人たちばかりではない。
信頼されることの大切さ、身に染みましたよ。

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グラスホッパー   〜伊坂 幸太郎〜

grasshopper.jpg


地下鉄や道路に人を突き飛ばす『押し屋』
精神的に追い詰めて自殺を促す『自殺屋』
ナイフで相手を殺す『殺し屋』・・・など、
普段目にすることの無い(当たり前)恐ろしいほどの職業を
持った人間たち。
その中で殺された妻の敵をとろうとする一人の男。

なんか、自分の目の前では起こらないような出来事が
こうもわらわらとでてくると感覚的に麻痺してしまいます。
当たり前のことではないのに
それが当たり前のように思えてくる・・・通常の感覚の麻痺。
怖いですよね。
そんな怖さをしっかり見せ付けるような作品でした。

個人的には『鯨』がお気に入り。
まぁ、殺し屋を気に入るのもどうかと思うけど、
『オーデュボンの祈り』の『桜』に通ずるような
その佇まいが妙に気に入りました。

陽気なギャングが地球を回す   〜伊坂 幸太郎〜

gang1.jpg


ブログを始める前に読んでいた本の感想というか、備忘録というか
そんなものが出てきました。
とりあえずブログを始める前にもかなりの本を読んでいたので
少しずつこっちにアップしていこうかな、と。

で、この作品。
伊坂氏の作品の中でも結構好きな作品です。
人間嘘発見器の成瀬。
演説の達人の響野。
正確な体内時計を持つ雪子。
天才スリの久遠。
4人で最強の銀行強盗団は、とある銀行強盗の際に
奪った金を別の強盗団持って行かれてしまう。

その金を取り戻すべく、
そしてその強盗団に仕返しをすべく所狭しと駆け回る。
そんな話。

かなり、面白かった。
4人の会話。
どこそこに張られた伏線。
単に銀行強盗だけではなく、
重いテーマも随所にちりばめながら
それでもとびっきりのエンターテイメント作品に仕上げている。

スカッとさせてくれる作品でした。

この当時から雪子と久遠がお気に入りでした。
もっともっと続編出てくれるといいなぁ。

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フィッシュストーリー   〜伊坂 幸太郎〜

fishstory.jpg


待望の新刊。

「動物園のエンジン」
「サクリファイス」
「フィッシュストーリー」
「ポテチ」
                 の4本。

決して派手さはないけれど、
じわじわと面白さがこみ上げてくる、そんな短編ばかりです。

今作でも別の作品に登場した人物が
何気に登場していたり、
もしくは主役だったり、
色んなところに伊坂作品のファンを楽しませる要素がぎっしり。

「動物園のエンジン」では、あの「伊藤」が出てくるし、
「フィッシュストーリー」ではあの老夫婦。
「ポテチ」では「泉水」のことが。
思わずニヤリとさせられるものでした。

どの話も良かったんだけど、
特に「ポテチ」が良かったな。
事実を知った息子と
それを知らないであろう母親。
本当の母親が違うことにショックを受けるよりも
自分が息子であることの母親への申し訳なさ。
そちらのほうが大きい息子は最後にどうするのだろう。
母息子物に弱い僕はただひたすらその切なさに
身を悶えさせるのでした・・・。

早く次作が読みたいぞ、と気が急きますわ。

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ラッシュライフ    〜伊坂 幸太郎〜

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解体された神様、
鉢合わせの泥棒、
歩き出した轢死体、
拳銃を拾った失業者、
拝金主義の富豪―、

ばらばらに進んでいっているかのような話が
最後にひとつにまとまっていく。
伊坂くんらしい構成でした。
表紙のように
エッシャーの騙し絵のような
そんなお話でした。

一番好きなのは拳銃を拾った失業者 豊田 かなぁ〜。
最後の彼の選択にはスカッとしましたが。

いろんな物語の登場人物が
顔を出します。
『オーデュボンの祈り』『重力ピエロ』などなど。
あ〜この人は、この設定はあの小説だなぁ〜なんて
探しながら
読むのも楽しいかもしれません。

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陽気なギャングの日常と襲撃    〜伊坂 幸太郎〜

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映画も好調の「陽気なギャングが地球を回す」の続編。

今回も面白かった。

実は続編だし、
前作よりは面白さが落ちてるんじゃないだろうか?って不安もありましたが、
その心配も杞憂でしたね。
最近の伊坂作品はナニカしらメッセージ性が強いなぁ〜なんて思ってましたが、
今作品はエンターテイメント性溢れる作品で
ほっとしました。

第1章は4人それぞれがメインになって話が進みます。
なかなか面白い趣向だな、とは思ったけど、
伊坂さんが言ってるように
4人揃って、って言うのが一番しっくりくるな。

第1章でのそれぞれの話がまた微妙に絡まりつつ
第2章⇒第4章まで一気に読み進められます。
第1章でしっかり伏線も張ってあるし、
あ〜なるほどこうきたか、と痛快爽快です。

会話もセンス良く進んでいきます。

銀行強盗のくせに、なんだかんだいって情に厚い4人組。
特に雪子と久遠がお気に入りですが、
今回は久遠がかなり活躍しているので、
それだけでも満足です。

そうそう、門馬さんは結局どうなったのだろうか?
後ギャンブルで首の回らなくなったおっさんは?
小西さんたちは?
特に小西さんはどうなったんでしょうか?
もしかして次回作に出てくる??
ちょっと期待しておこうかな、と。


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終末のフール      〜伊坂 幸太郎〜

shuumatsu.jpg


伊坂幸太郎待望の新作!!です。

今回は
8年後に小惑星が地球に衝突し、世界が終わってしまう。
その発表があった5年後、つまり小惑星が地球に衝突するまで
あと3年になった仙台の街が舞台。
もっと細かく言えば、
仙台の郊外のヒルズタウンを舞台にした短編集。
もちろん、伊坂作品らしく、
それぞれの物語の登場人物が他の物語でも微妙に且つ絶妙に、
しかし決して邪魔にならない程度に
絡み合いながら物語が進んでいきます。

世界の終わりまであと8年。
パニックに襲われた人たちが暴行・略奪・殺人・自殺を
繰り返し、街はすでに街の機能を失っていた。
しかし、5年も経過するとそのパニックも沈静化し、
しばらく静の時期が訪れる。
その時期の様々な人の様々な終末の過ごし方。
どの話しも現実を見つめ、ただ、それでも最後までしっかり
生きていこうという前向きな姿勢で物語が綴られていきます。
ただ一作品「天体のヨール」以外は。
でも、この登場人物も最後は前向きな気持ちでいたのではないかと
思えるんだけどな。

残された時間が8年。
長いのか短いのか分からない。
そんな状況になったら
パニックになってしまうのも分かる。
そして5年の月日が経ってようやく静寂な穏やかな日が
戻ってきた、その5年間の状況を軽く扱っているのが
逆によかったんではないかな、と思う。

結局ほとんどの物語が3年後には世界が終わってしまうかもしれないという
悲壮感を漂わせながら
それでいて HAPPY END に近い終わり方をしているのが
読んでて心地よかった。

特に「籠城のビール」「演劇のオール」が良かったです。


第19回 山本周五郎賞 候補 (H18.5.8)



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砂漠    〜伊坂 幸太郎〜

sabaku.jpg



伊坂幸太郎の新作

ある大学生とその友人たちの大学4年間を
春夏秋冬の章立てで綴る物語。

得意のミステリーではなく、完全な青春群像物語といえるかな。

社会という砂漠に出る前の大学生活というオアシス。
5人が織り成す物語は時に甘く、時に切なく、
甘美というには残酷な物語もあり、
それでいて、清々しくもあり。
前作の『魔王』よりも親しみやすい、物語だった。

物語の核となるものは通り魔強盗と空き巣事件。
2つの事件が登場人物5人と微妙に絡まりながら、
大学生活は進んでいく。
自分たちで自分の置かれている状況を何とか克服していこうとする
姿に好感が持てる。
ただ若さからくる無鉄砲さには目を覆いたくもなるけど(笑)

登場人物に感情移入しやすく、
あっという間に読み終わりました。

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