2008.06.11 (Wed)
オカンの嫁入り 〜咲乃 月音〜

女手ひとつで娘を育てあげた看護師・「オカン」陽子と、その娘・月子が暮らす家に、
ある晩、酔った陽子が「捨て男」(研二)を拾ってくる。
陽子は彼と結婚するつもりらしい。とまどう月子だったが、
やがて研二の気さくな人柄と陽子への真摯な思いに、母の再婚を受け入れていく……。
第三回日本ラブストーリー大賞のニフティ・ココログ賞受賞作。
なんか毎回新たな賞を作ってますね、日本ラブストーリー大賞って。
この作品はラブストーリーと言うより
月子と母親・陽子の母子の愛情物語だな。
もちろん研二と陽子、月子とセンセイの恋愛も描かれているけれど、
やはりメインは母子の愛情物語。
こんなラブストーリーもいいね。
ただ、展開が読めてしまったのが残念。
って言うかお手軽に
誰かを死なせてしまうのは(実際にはその場面はないけど)
はっきり言って感心しないな。
この作品で選考委員が全員泣いたって・・・
じゃ、何故大賞じゃないんだ!って感じです。
あざとさも見え隠れしますが、
だからと言って悪い作品ではない。
月子とオカンの仲の良さが全編に溢れていて、
読んでて心地よいのも確かです。
だからこそ、安易な方向に走ってほしくなかったなぁ〜と思います。
第三回日本ラブストーリ大賞・・・
まだ大賞読んでないんですけどね・・・。
2008.05.24 (Sat)
犬と私の10の約束 〜サイトウアカリ〜

映画化された作品。
映画は見ていないけど、
犬好きなので、手に取った作品です。
作者と登場人物同姓同名だったので
実話か!と思い読んでましたが・・・。
母を亡くし、仕事で忙しい父との生活に
どこからともなく現れたラブラドール・レトリーバーの子犬。
母親の座っていた座布団にちょこんと座り、動かない。
警察に連れて行くが、飼い主が見つからなければ殺処分になることを聞いた
犬嫌いの父親がその犬を飼うことを決めた。
それからあかりの生活は、その子犬ソックスとの生活になった。
犬を飼うときの10の約束。
母親は9個までしか伝えていなかった。
最後の10個目の約束は
物語の最後の最後に明らかにされる。
後半は涙なしでは読めませんでした。
動物を飼うときにはやはり相当の覚悟が必要です。
飼ってた犬との悲しい別れは何度も経験したけれど、
こんな話を読むと
悲しいかったことを忘れてやっぱり飼いたいと思ってしまいます。
2008.05.21 (Wed)
しゃべれどもしゃべれども 〜佐藤 多佳子〜

今年度のNHK放送コンテスト朗読部門の課題作の一つ。
必要に迫られて読んだんですけど、
これはかなり面白かったですね。
噺家の話だからか、
テンポもよく、さくさくっという感じで読めました。
主人公である三つ葉を始め
それぞれコミュニケーション能力に問題を抱えた
三つ葉の落語教室(?)の4人の生徒たち。
どの人物も何だか素直じゃない感じがするんだけど、
何だか憎めない。
そんな感じなので、みんな好きになってしまう。
少しずつ
「頑張れよ」って声をかけたくなるくらい愛しく感じられた。
でも一番いいなぁ〜と思ったのは
三つ葉と祖母との関係かな。
湿っぽくならず二人暮らしをお互い好きなように生きながら
でもどっかでお互いのことをしっかり考えているってところが垣間見られて
何とも言えずほっかりとした気分になりました。
2008.05.12 (Mon)
燃えるサバンナ 〜澤見 彰〜

ミステリーYAシリーズ18作品目
これまでの作品とは違った感じの作品でした。
アフリカを舞台に
呪われた名前を持つ女性戦士が
自らの運命を乗り越えようと
伝説の赤毛のライオンを倒そうとする物語。
シバは呪われた名前を持つマサイの女性戦士。
村の最高権力者、大呪術師の孫でありながら
夢見の能力を持ち、
その大呪術師からも疎まれていた。
干ばつで村の移動をせねばならなくなったとき
シバは祖父である大呪術師の占いに真っ向から反対し、
伝説の赤毛のライオンを倒し、
雨を降らせるべく、村を後にする。
これまでと違う感じの作品だったので
正直、最後まで読めるかなぁ?と不安でしたけど、
読み始めると以外に読みやすく
最後まで一気に読むことが出来た。
部族の中でのけ者、忌み者にされている主人公シバの哀しさや
好きな女性を一人旅立たせてしまったことを悔やむチャパ老の哀しさ。
物語り全体がどうしようもなく切なく悲しみに満ち溢れているのだけど
不思議と嫌な感じはしなかった。
特にシバの覚悟のようなものが
物語の芯にしっかりあったからではないかと思う。
同じような境遇のチャパ老との掛け合いもおかしく、
この作品もなかなか面白かった。
2008.04.26 (Sat)
闇の聖杯、光の剣 〜篠田 真由美〜

ミステリーYAシリーズ17作品目。
北斗学園七不思議シリーズの第2弾で
ミステリーYAシリーズ初のシリーズ2作目になります。
北斗学園中等部2年のアキ、ハル、タモツの3人が今回出くわす事件は、
第2次世界大戦中のドイツに関係する謎。
ドイツ第三帝国の崩壊、暗号、魔女、オカルト…。
歴史の闇に秘められていた恐ろしい企みが動きだす。
相変わらず中学生に思えない3人が
学園の謎に真っ向から向かって行くのは
好感が持てる。
3人のキャラクターの違いが前作よりも
際立っていて、前作よりしっかりしてきたかな、って感じ。
謎も前作より凝ってるし、
最後はほろっとさせる展開もあったりして、
なかなかでした。
しかし、途中途中に
前作を読め、的な独り言が多くて
そこはちょっと興冷め。
そう言わせなくても、前作を読みたくなるような
書き方はできなかったのか、と。
そこが作者の腕の見せ所なのになぁ〜。
その点、残念でした。
2007.11.23 (Fri)
きのう、火星に行った。 〜笹生 陽子〜

初読みの作家さんです。
児童文学書かれる方なんですね。
非常に読みやすくて
他の作品も読みたくなる作家さんです。
そう思わせるのも
この作品が良かったからだろうと思います。
主人公は小学6年生の山口拓馬。
何事にも冷めた感じで、斜に構えた感じのする少年。
テキトーにあしらって、毎日を怠惰に過ごす。
小学生らしからぬその態度。
でも心の奥底にある真面目な部分が見え隠れするので
嫌いにはなれないタイプの少年かも。
その拓馬の転地療養していた弟が帰ってきた。
両親は弟にたいして甘い。
また叔父夫婦も甘い。
わかるよ。
病気で苦しむ子どもにかまってあげたいと思う親の心。
でも、
一人っ子だったいいけど、
たった一つしか違わない兄が一緒にいるんだよ。
それまで一人だった拓馬が
弟をねたむ気持ちが生まれるのも分かるはずなのに。
この両親の愛情は間違っていないとは思うけど、
でもやっぱり間違ってるのかな。
子どもにはたとえどんな状態であっても
等しく愛情を注がなきゃ。
そう思いました。
ちょっと辛いですね。
拓馬の気持ちを考えると。
最後は拓馬も普通の小学生っぽくなります。
全力で物事に当たろうとするようになります。
お決まりの・・・って展開ですが、
不思議と心地よかったです。
笹生さん
追いかけたいかも。
(変な意味じゃないですよ)
2007.07.27 (Fri)
アサッテの人 〜諏訪 哲史〜

芥川賞受賞作。
やっぱり芥川賞。
合いません。
「ポンパ」と叫ぶ失踪してしまった叔父。
しかし、「ポンパ」だけではなく、
他にも奇妙な言葉を口にする叔父の失踪を
小説にしようと試みる主人公。
しかし、なかなかうまくいかない、その様を
文章化したような感じ。
実話?フィクション?ドキュメンタリー?
虚像とリアルが一緒くたになった、そんな感じがする作品でした。
しかし、彼がこの作品で
何を言わんとしていたのか、
凡人の僕には到底理解できないところなのです。
TBさせていただいたブログ
ナナメモ
2007.05.15 (Tue)
王国は星空の下 〜篠田 真由美〜

北斗学園中等部の3人が北斗学園の七不思議を解こうと活躍する物語。
最初は「う〜ん、面白くなさそう」って印象だったんですが、
読み進めていくうちに
だんだん面白くなってきた。
中学生が中学生らしからぬ活躍で
贈賄事件や殺し屋との対決などを解決していく。
中学2年生にしては大人びた感が否めない
主人公の3人ではあるけれど、
その辺は大目に見てもいいくらいの内容でした。
今作では七不思議のまずは一つ目の謎解きで、
おそらく今後もこのシリーズは続くのであろう。
ただ、学園の設定がちょっと無理があるような気がして
もう少し現実味が欲しかったなぁ〜。
そして、イラストが・・・
中学2年生には見えないし、
なんか怖いんですけど。
そこがもったいなかったな〜。


