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村田エフェンディ滞土録   〜梨木 香歩〜

murata.jpg

今から100年以上も昔、トルコに渡り、考古学研究にいそしむ村田君。
その村田君を中心に同じ下宿に住むギリシャ人、ドイツ人、トルコ人、イギリス人。
国籍も宗教も性別も年齢も言葉もみんな違うのに
なぜか穏やかな時間が流れている。
もちろんほんの少しの思い違いなんかもあるけれど、
外界とは違い
至って平和な日常。
そんな日常の中で村田君が経験する異国での様々な出来事。
そしてその後の世界情勢。
仲間が次々と命を落として行く中で
ただ一人日本で生きている村田君。
物語最初の印象と最後の印象ががらりと変わる。
鸚鵡の発する一言『It's enough』が全てを物語る。

何だか心に沁みるお話でした。


西の魔女が死んだ   〜梨木 香歩〜

witch.jpg

映画化もされたことだし、と手にした1冊。
思いのほかいい話でした。

魔法を使う魔女なんているわけないんだけど、
どちらかというと占い師みたいなものだろうか?
予言者とか。

不登校気味のまいがイギリス人の祖母の下で過ごす数週間で
一人の女性としての強い生き方を身に付けて行く。
その話しを軸に
人としての生き方を
この西の魔女でるおばあちゃんに
まいと一緒に教えてもらっている、
そんな気持ちになりました。

読み終わってなんだかほ〜っと、一息つきたくなるような
温かい話でした。


建てて、いい?

tateteii.jpg


『家』を建てる。
『家』を買う。
どちらにしても
人生で一番大きな買い物。
しっかり考えなくては
後で取替えなんて出来ない。

独身女が家建ててどこが悪い?
いや悪くないですよ。
独身男が家建てて何が悪い?
悪くないですよね??

展示場の家は家族向けに作られていて、
説明も家族向け。
独身女性に向かって「奥様」を連呼する営業マン。
家を見に来るものは家庭持ちだけだとの想定で
話を進めようとする営業マン。

でも、独り者だって家を建てようと思えば建てるのさ。

そんな意気込みを感じた。

そう、僕も家が欲しい。
自分だけの居場所が欲しい。
独身男だけど、家は欲しい。
あ〜したい、こうしたい、夢だけが大きく膨らむ。
チラシを見ては、その間取り図に勝手に妄想を膨らませていく。

いつかはこの主人公のように自分だけの自分のための
家を建てたい。
そんな思いを強くしました・・・。

あれ??
結婚する気ないの?オレ!?

そろそろくる   〜中島 たい子〜

sorosoro.jpg


男には分からない
女性特有の生理現象。
いや、そんな話だとは分かって読んだわけですけど、
でも、PMSって大変だなぁ〜、と
他人事のように読みつつも
いや、男にも似たようなものはあるぞ、きっと。
そんな思いを強くしながら読み終わりました。

精神的にも肉体的にもきつくなるPMS。
男性はもちろん、女性でも知らない人が多いようで
これを知っているのと知らないのでは
対処の仕方もだいぶ違ってくるのかな、と思いました。

男性側も女性の体のことを知ることで
特にパートナーに対して優しくなれるんじゃないか、と。
相手を思いやることは
相手のことを良く知る、ってことなんだな、と
当たり前のことを
再確認できた作品でした。

均ちゃんの失踪   〜中島 京子〜

kinchan.jpg


なんで均ちゃんはもてるんだろう?

均ちゃんの家に泥棒が入った。
呼び出されたのは
元妻で大家の景子さん。
そして均ちゃんと付き合いのある薫さんと空穂さん。
均ちゃんと関係のある女性が3人。
お互いがお互いの存在を知らなかったため
なんとなく不思議な関係をこの後もつづけて行くことになる。

っていうか、
普通、今現在付き合っている薫さんと空穂さんが
事を荒立てることもなく、平然としているところが
(もちろん心の中で葛藤はあるにしても)不思議だし。
なぜに放浪癖のある頼りなさそうな、均ちゃんに
この女性3人はやられちゃっているのか?
男の自分には
均ちゃんのような生き方をうらやましいかも、とは思っても
共感も感じられないんですけど・・・。
いっしょにいたら嫌かも。

まぁ、そこが男性と女性の感じ方の違いかもしれませんけど・・・。

確かに
そのちょっとだらしなさとかが母性本能をくすぐるのかもしれないけどね。

最後、
女性たちは全員均ちゃんから離れて行くんだけど、
それが当然のことのように思えた自分がここにいます。

物語は
それぞれの女性の目から見た顛末と
均ちゃんの目から見た失踪の理由を
章立てて進めていて
それぞれの人物の思いなんかがよく伝わってきて
非常に読みやすかったです。

漢方小説   〜中島 たい子〜

kanpou.jpg


いやぁ〜、漢方侮るべからず!

原因不明の体調不良に陥ったみのり。
病院では特に悪い所は見つからず
流れ着いたのが、中医学。
西洋医学では端にも棒にも引っかからなかった
みのりの病状を
中医学ではあっさり言い当て、
さらには漢方で回復へと導いてくれた。

そこに、淡い恋心も織り交ぜながら
(まぁ、何事もなく終わるわけだけど・・・)
漢方についての
あるいは中医学についての薀蓄なんかも
さらりと織り込んでいる。

今の社会の中で誰もが抱え込むストレス。
そのストレスからくる心身の病。
それを西洋医学の目からではなく
中医学・漢方の目から眺めた良作だと思う。

いや、何だか、
漢方で治してもらおうかな?なんて想いを
抱かせるの十分な作品でした。

漢方、侮るべからず!ですな。


化けの皮   〜にしおかすみこ〜

bakenokawa.jpg


芸人さんのエッセイが続きます。

ネタでいくつか見たものもあるけれど、
文字にして読むと
また違った感じで
純粋に面白かった。

女王様スタイルなのに、
本当は小心で傷つきやすくて、Mで・・・。
彼女の日々が赤裸々に綴られています。
でも、可笑しいんだけどね。

でもこんな格好をしていることからくる偏見とかも
ちゃんと自分の武器にしている感じ。

彼女だけではなく、
彼女の周りの人たち(特にお母さん)も
サイコーに可笑しい人ばかりだ。
やはり可笑しい人の周りには可笑しい人が集まるのでしょうか・・・。

ズッコケ中年三人組age42   那須正幹

age42.jpg


ズッコケ中年三人組も3作目です。
この3人も42歳になり
色々と問題を抱えています。

モーちゃんの娘がイジメに遭い、
ハチベエの息子は無気力で不登校気味で・・・。
ハカセは教習所に通い、

あっという間に
モーちゃんの娘のイジメも解決し、
ハチベエの息子もなんとか将来の希望を見つけ、
ハカセはなんとか免許を取得する。

いや、
あまりにも簡単に問題が解決されてしまうことが悪いわけではないし、
リアリティーを求めすぎると
この作品とは趣が違ってしまう、ということにもなるので
これはこれでいいんだろうけど、
だからこそ
あまり簡単に扱って欲しくなかったなぁ〜というのが
正直な感想です。

まぁ、教師のステレオタイプ的な描き方には
笑ってしまいましたが・・・・
まぁ、現実にもこんな人はいるしね・・・。

年を取ると自分の問題だけではない、色んな問題を抱えることに
なるわけだけど、
ズッコケシリーズのこの三人には
どんな問題でも、簡単に解決してしまう能力があるみたいで
なんだかうらやましい限りです。

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