2008.06.13 (Fri)
きまぐれロボット 〜星 新一〜

表題作は英語の教科書にも載っている作品でした。
教科書で読んで
オリジナルを読みたいと思いつつ
ようやくたどり着きました。
おなかが減れば、料理をつくり、退屈すれば話し相手になる。
なんでもできるロボットを連れて、離れ島にバカンスに出かけたお金持ちのエヌ氏。
だがロボットは次第におかしな行動を……
なかなかオチは良かったです。
英文で読んでも日本文で読んでも
なかなかユニークでした。
この作品のおかげでちょこっとだけ星新一さんに興味を持ち、
初めて読んだのがもう1年前です。
で、そこからぜんぜん手につけてなかったんですが、
星新一熱に侵されそうです。
どの話も科学者やらロボットやら宇宙人やら出てきて
未来系ショートショートの様相を展開してます。
まぁ、どの話も結局のところが似たようなオチになることもありますが、
今から40年も前にこの作品を書いたのかと思うと
星さんの鋭さには脱帽ですね。
これからも少しずつ読み進めていきたいと思います。
2008.05.08 (Thu)
床下仙人 〜原 宏一〜

シュールですよね。
仕事にかまけているうちに
床下に入り込んだ仙人の様な男に
家も家族も乗っ取られてしまう男の話。
会社を倒産させられた男が復讐のために
その会社に社員としてもぐりこみ
専務の追い落としを図る。
男社会にうんざりした女性たちが
男社会に反旗を翻すも・・・
仲間割れから大変なことに。
派遣社員あらぬ派遣社長に振り回され
結局自分も派遣の身に。
ありとあらゆる会社が全て派遣社員たちで埋め尽くされ・・・
そんな現実を何とか変えようと決意する。
仕事もリストラされ、家族からも見放された中年男が
靴磨きの女の子と
擬似家族を演じる。
どの話も現代生活や現代社会を風刺した感じの話で
ところどころユーモアも交えているけれど、
振り返るとやっぱりシュールな感じで
どことなく薄ら寒さも感じてしまう作品でした。
2008.01.19 (Sat)
gift 〜古川 日出男〜
2007.11.11 (Sun)
月のうた 〜穂高 明〜

第2回ポプラ者小説大賞優秀賞。
小学5年生で母をガンで亡くした民子。
中学生で継母を迎え、その後母方の祖母を亡くす。
幼くして様々な不幸を経験してしまった
民子の大学入学までを描く作品です。
4章からなり、
それぞれ
民子→継母宏子→実母の親友祥子→父の視点で物語が進められていく。
それぞれが同じ事実に対して
いろんなことを思い、考え、悩む。
みんなが自分のことより相手のことを思い、
でも、なかなかその思いを言い出せずに過ごしている。
大きな事件が起きるわけではない。
地方の小都市を舞台に
民子とその周りの人間との交流が温かいタッチで描かれています。
継母ってどうしても意地悪なイメージが付いて回るものだけど、
この宏子さんは天真爛漫で
だからこそ、民子には必要な人だったのかもしれない。
なかなか最初は打ち解けられかった二人だけど、
少しずつお互いの距離を縮めて行く様子が良かったです。
母の親友の祥子さんの思い出話にホロリときたり、
父親のちょっといい加減なところに腹を立てたり、
なかなか感動的な話でした。
まぁ、陽一という幼馴染との関係ももう少し深く書かれていても
良かったかな、とは思いましたけどね。
TBさせていただいたブログ
ぼちぼち
ナナメモ
2007.09.09 (Sun)
下北沢 〜藤谷 治〜

『アンダンテ・モッツァレラチーズ』で
合わないなぁ〜と思って以来、手を出してなかった藤谷さんですが、
なんか、わりと他の方の評価は高かったので
別の作品を読んでみようと。
そして手に取った作品がこれ。
下北沢って
田舎の人間からすると
若者の町、お洒落な町なんてイメージが強いんだけど、
ここに出てくる下北沢は
もちろんそんな一面も持ちながら
古い住宅地としての面もあり、
若者だけではなく、年を取った人も生活している
普通の町だった。
雑多な町というイメージを植えつけられた感もあるけれど
それはそれで逆に親しみを持てる。
ここに登場する人物たちも
どちらかというとルーティンな毎日を送っている人ばかりではなく、
ちょっと不安定。
でも逆に自分に素直で愛すべき人たちでした。
あ、詩人はどうかと思うけど、
でももしかしたら主人公の勇と同じような態度を取るかもしれない。
そして最後は・・・。
ちょっとだけ藤谷さん、いいかも、と思いました。
とりあえず次の作品行ってみよ〜。
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しんちゃんの買い物帳
2007.08.20 (Mon)
ハルさん 〜藤野 恵美〜

妻に早くに先立たれたハルさんと娘のふうちゃんの23年間を
ミステリーっぽく仕上げた作品集。
ミステリーといっても
ミステリーらしくはない。
ちょっとした推理をハルさんが亡き妻瑠璃子さんの助けを得ながら
やっていく、という話。
それがすべて愛娘風ちゃんに関わることであった。
幼稚園のころ、小学生のころ、中学生のころ、高校生のころ、そして大学生のころ。
そのすべてを思い出すのは、
ふうちゃんの結婚式の当日だからか。
愛娘を嫁がせる父親の複雑な気持ちが
まだ幼かったふうちゃんや大学生になったふうちゃんの
思い出を思い起こさせているのだろうか。
謎というよりも本当に些細な日常を描いているんだけど、
そこにちょっとした謎解きみたいなのが存在するけれど、
ミステリーというよりは
親子の愛情物語として読んだ方がいいのではないか。
そして最後の結婚式のシーンでは不覚にも涙が出そうになった。
妻を亡くしてから一人でふうちゃんを育ててきたハルさんの思いは
経験しないと分からない。
でも、ふうちゃんの夫になる長谷さんの言葉や
ふうちゃんのハルさんに対する想いを読んだら
本当に温かいものがじ〜んと伝わってきた。
いい作品でした。
しかし、ハルさんがあまりにも浮世離れしていて
ふうちゃんのしっかりぶりと対照的で
そのギャップがまた愛おしかったですね。
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ナナメモ
2007.08.08 (Wed)
満ち潮の夜、彼女は 〜早見 裕司〜

ミステリーYAシリーズ8作目
今作はミステリーというよりも、ちょっとホラーがかった作品。
とある寄宿制女子高を舞台に6人の女子高生と2人の教師が
織り成す恐ろしい物語。
途中までは
あ〜女子高生が同性に憧れる、危ない物語、と言う雰囲気だったけれど
読み進めていくうちに、
それだけではない、恐ろしい展開に。
一人の女子生徒が血を抜かれた状態で殺され、
さらにもう一人。
男性教諭と女子高生が情事中に殺され、
女性教師もすべての罪を告白して自殺をする。
しかし、最後には驚くべき展開が。
非常に面白く読めました。
展開としては
特に目新しいところはないんだけど、
ホラーファンタジーとしては
割とよくできているんではないか、と思う。
ただ、最後の謎解きのあと、
どうして主人公は何事もなかったように
別の学校にいるのか、
事件が発覚したあとの女子高の様子がまったく描かれていなかったので
その点が不満。
また結局主人公は何がしたいのか、その目的も
結局あいまいなままのような気がする。
非常にあいまいな物言いで終わったような感じで
それまでが面白く読めたので自分には物足りなかったように思われる。
でも、ミステリーYAシリーズ。
刊行されるにつれて
面白い作品が増えてきました。
次も楽しみ。
2007.07.22 (Sun)



