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す~さん

Author:す~さん
最近では本を読む時間が増え、
映画を見る時間が減少。
ブログも色々やってるのに
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マリコはたいへん!     ~松久 淳~

mariko.jpg



20代~30代の女性の恋愛について。
インタビューしたものをショートストーリー仕立てで書いています。
全員「マリコ」さんになってますが・・・・。

とにかく様々な職業の女性たちの恋愛話がてんこもり。
これが事実(まぁ取材しているんだから事実だろうけど)だと思うと
本当に笑いしか出てきません。

「こんな女いやだ!」と思わせる女性が出てこないのは
松久さんの手腕によるものでしょうか?
もし近くにいたら
「いやだ!」と思ってしまうかもしれませんが・・・。

所々に入る松久さんのツッコミにも
同じ年代の男としては
「納得!」の一言です。
女性だけではなく男性にも読んで欲しい本です。

果たして女性はこの「マリコ」さんたちに共感できるのでしょうか??


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読書日和
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空中庭園     ~角田 光代~

kuchuu.jpg


映画公開記念・・・。
ってだいぶ前じゃん。

東京郊外の「ダンチ」に暮らす「京橋」家。
秘密を持たずに、何でも包み隠さず話そうという「家訓」なのに、
それぞれが秘密を抱え、
微妙なバランスで家庭を保っている。

まぁ、どこの家庭にだって、
誰にだって
家族に言えない秘密くらいあるんだから、
そう思いながら読むと、
「何でも包み隠さず話す」というのは
無理があるよなぁ~、と。
で、それに少し悩みながら
毎日の生活を送っていく家族って
本当に幸せなのか、なんて考えながら読んでました。

全体的に天気で言うと曇り空な感じの話しでした。
スカッとしなかったなぁ~。

キッドナップ・ツアー    ~角田 光代~

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小学5年生のハルは父親に誘拐されてしまった・・・。

ダメな父親としっかりした娘の構図。

父娘の絆を描いてるんだけど、
そこらへんは分かるんだけど、
やっぱり父親のダメさ加減が読んでて
哀しくなる。

話しとしては
父と娘のロードムービー風で面白いんだけど、
もう少し父親の威厳を出して欲しかったな、と思うのは
男だからかな?

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Book Review’S ~本は成長の糧~

ヒガシくんのタタカイ    ~群 ようこ~

higashi.jpg


中学生ヒガシケイタくんの半生(?)

小学生のころに母親がフランスに行ってしまい、
現地で恋人ができて父親と離婚。
そのまま父親の元に。

中学に入る頃父親再婚。
母親と高校生の姉ができる。

中学2年生になると彼女もできる。
しかしその彼女に振り回されて心休まることもない。
そして振られる。

中学3年も終わる頃母親と再会。
しかし、盛り上がるのは母親だけで、本人盛り下がる。

そんなヒガシケイタ君の日常を描いた作品。
中学生ならではの心の揺れ。
それを上手く描いてます。
思春期が始まる頃にいろんな出来事が起こり、
それにむかつきながら、
でも、流されるしかないヒガシくんのやるせなさ。
そんなものがきちんと描かれていて、
読んでいて逆に清々しかったです。

ヒガシ君の相手の女子中学生が
本当にイマドキの女子中学生で
腹が立ちましたけど(笑)。

エッセイもそうだが、群ようこの小説は割と面白い。
「山田一家の辛抱」にしても「かもめ食堂」にしても。
さて、もう一作読んでみようかな。

セイジ      ~辻内 智貴~

seiji.jpg


その社会に順応しきれず不器用にしか生きられない
男二人「セイジ」と「竜二」の2作品。

いろんな人が感動した、という作品。
ごめんなさい。
僕はまったくでした。
これまで読んだ辻内作品にはかなり感動し、
いい小説書くなぁ~と思ってたけど、
この作品を読んで、?マークが付いてしまった。

決して悪い話ではないと思う。
人生にある意味達観し、自分の道を自分の思うように生きているような、
そんな主人公たち。
そういう生き方もあるだろうと納得できるんだけど、
話しの展開が・・・。
たとえば「セイジ」では、とある夏休み、自転車旅行に出かけた
青年(物語の語り手)がその夏休みを「セイジ」のやってる店でアルバイトを始める。
しかし、たった一月くらいで、そこの住人たちとあっという間に溶け込んでいく姿に
なんか嘘っぽさが見える。
結末に向けて無理やりこじつけた感が否めない。
また、とある事件の結末が、あまりにもひどすぎて・・・。
それはありなのか?
そんなことして心が開かれるのか?
ものすごく違和感を感じたのは僕だけでしょうか?

またその「セイジ」を神様だと最後に称してしまったことが
腑に落ちなかったなぁ。

「竜二」の方がその点まだよかったかな。

最後はちょっとだけ感動。
しかし、「セイジ」読後のすっきりとしない「何か」が気になって
その感動も薄れてしまったような気がする。

決してつまらない話しではない。
でも、僕にはこの作品は合わなかった。
途中までは面白いんじゃないの?って読んでたんだけど、
結末がなぁ~。

青いうた     ~斉藤 ひろし~

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1999年に公開された映画「のど自慢」から生まれた青春ストーリー。

中学を卒業した4人の男女がそれぞれの夢を追い、
時に挫折を繰り返しながら
本当に大事なものは何か、を見つけ出していくストーリーです。
まぁ、お決まりの内容です。
ただ、久々に「王道」とも言える作品を
読んだなぁ~という感じですね。

舞台が青森なだけに
登場人物のほとんどが津軽弁・・。
読みながら、何て言ってんだろう?と想像しながら
読まないといけなかったのが、正直辛かった。
まぁ、地方を舞台にして
成り上がるために東京へ出て行くというストーリーだから
しょうがないかもしれないけれど。

色々あるんだけど、
最後はお決まりのハッピーエンドって言うのが、
いただけないなぁ~という感じではありましたが・・・。

津軽弁以外は割とすんなり読み進めていくことできた。
さすがに作者は脚本家なので
その辺の話しの展開の上手さがあるなぁ、と。

映画化もされて公開中のようですが、
のど自慢の部分は
映画「のど自慢」の主人公、赤城麗子(室井滋)も出演しているということで
それだけでも見てみたい・・・と思う自分がいたりするのである・・・。


イッツ・オンリートーク    ~絲山 秋子~

onlytalk.jpg


久々に読みました、絲山秋子。
これがデビュー作らしいんですけど、
確かにデビュー作でこれだけのものを書いたら
その後が期待されますよね。

っていうか、優子痛すぎ。
そんな誰彼となくやっちゃうなんてさ。
でも、なんか気持ち分かる。
自分は男だけど。
精神的に満たされたいって気持ちが良く分かる。
その辺りを上手く描いているな~、と思った。

もう一編「第七障害」は今まで読んだ絲山秋子の作品の中では
一番好きかもしれない。
乗馬をやっていた順子が競技中に落馬。
馬は足を骨折し毒殺される。
それを悔やむ順子。「自分が殺した」と。
その後、東京に出てきた順子は同じ乗馬クラブで
ライバル関係だった篤と再会する。
その後の篤と順子の少しずつ近づいていく、その関係が
妙にくすぐったかった。
あ~、恋の始まりってこんな感じだよな、って。

絲山秋子・・・ちょっと苦手かな~と思ったけど、
この作品を読んで、また少し見方が変わった。
もう少し他の作品も読んでみようかな。

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+++こんな一冊+++

陽気なギャングの日常と襲撃    ~伊坂 幸太郎~

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映画も好調の「陽気なギャングが地球を回す」の続編。

今回も面白かった。

実は続編だし、
前作よりは面白さが落ちてるんじゃないだろうか?って不安もありましたが、
その心配も杞憂でしたね。
最近の伊坂作品はナニカしらメッセージ性が強いなぁ~なんて思ってましたが、
今作品はエンターテイメント性溢れる作品で
ほっとしました。

第1章は4人それぞれがメインになって話が進みます。
なかなか面白い趣向だな、とは思ったけど、
伊坂さんが言ってるように
4人揃って、って言うのが一番しっくりくるな。

第1章でのそれぞれの話がまた微妙に絡まりつつ
第2章⇒第4章まで一気に読み進められます。
第1章でしっかり伏線も張ってあるし、
あ~なるほどこうきたか、と痛快爽快です。

会話もセンス良く進んでいきます。

銀行強盗のくせに、なんだかんだいって情に厚い4人組。
特に雪子と久遠がお気に入りですが、
今回は久遠がかなり活躍しているので、
それだけでも満足です。

そうそう、門馬さんは結局どうなったのだろうか?
後ギャンブルで首の回らなくなったおっさんは?
小西さんたちは?
特に小西さんはどうなったんでしょうか?
もしかして次回作に出てくる??
ちょっと期待しておこうかな、と。


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スメル男    ~原田 宗典~

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面白おかしいエッセイで有名な(?)原田宗典の小説です。

それまでずっとエッセイばかりしか読んでいなくて、
初めて手にした彼の小説でした。
タイトルを「スルメ男」とカンチガイし、
スルメのお話しかぁ~、
さすが、原田宗典だなぁ~。
目の付け所が・・・と思っていましたが、
目の付け所がおかしかったのは、自分のほうでした。

エッセイでは「面白いオッサン」だなぁ~という印象が強いんですけど、
この小説でその考えを払拭させられました。

悪臭を放つようになった体。
周りの人が嘔吐を繰り返すのに、
嗅覚を失った本人はまったく気付かない。
何故そんな悪臭を放つようになったのか、
本人も分からない。
そしてその悪臭の原因は、
本人だけではなく、周りの人間も巻き込んで
大冒険絵巻へと繋がっていくのです。

だからといってコメディではない。
その裏には切ない話が詰まっている。
喜劇の部分と悲劇の部分。
それが上手く絡み合って
非常に読み応えがあった。

エッセイばかりではない、彼の小説家としての「凄さ」を
思い知らされた作品でした。

リビング    ~重松 清~

living.jpg


だいぶ昔の作品ですが・・・

雑誌編集者の夫とCGイラストレーターの妻の四季を描く
「となりの花園」をメインに
夫婦や親子の関係を描いた作品。

雑誌編集者の夫とイラストレーターの妻は
互いに仕事に干渉しないDINKSカップル。
その二人の住む家の隣に引っ越してきた一家に
振り回されながら、
もう一度自分たちの生活を見つめなおす。
まぁ、この二人のお話は12編あるうちの4編だけなんだけど、
その春夏秋冬の間には
別の家族の話が挿入されていて、しっかり1年分が描かれてます。
こういう連作小説も面白いな、と思いました。

やはり重松清は家族や夫婦親子といったテーマが上手い。

この中では
100歳近い老婆同士の友情(?)を描いた「千代に八千代に」と
離婚する夫婦が夫の母親の口癖について語りる「ミナナミナナヤミ」が特に良かった。

ただ、もう少し「となりの花園」に出てくる隣家の中学生の息子にも
スポットを当てると
深みが出たかなぁ~と思う。
そこが残念だけど、
やはり、上手い!です。


ララピポ    ~奥田 英朗~

rarapipo.jpg


全6編からなる短編集と思いきや、
その登場人物が全編で見事にリンクしているという
面白いつくりになってます。

でも、全編エロを軸に動いてます。
子どもには勧められません。
大人の方だけ読んでください。
しかし、エロ系小説というほど官能的ではないけれど、
「サウスバウンド」とか「ガール」とか書いている人が
こんな小説も書くのか、と思ったら
何だか妙に嬉しくなってしまった。
書きたいものを書くんだ!!という意気込みみたいなものが感じられて
かなりよろしい。

ララピポって何だろう?て思ってたけど、
あ、なるほどね~。
って感じでした。
確かにこの世の中ララピポです。

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野の風    ~辻内 智貴~

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「信さん」でちょっとだけ涙したボクが次に手にした
「辻内智貴」の本。
刊行されたばかりでした。

仕事に追われ、いつの間にか家庭も冷え切ってしまっていた男に
突然父親の危篤の報が入る。
後もう少しで大きなプロジェクトを成し遂げるところだったため、
その父の危篤の知らせにも
「何もこんなときに・・・」という想いが募る。
家に帰ってもちょっとしたことで妻と口論になり、
いやなムードを引きずったまま家族そろって故郷へ帰る。

父は脳死の状態で、助かる見込みはない。
なのに、機械に繋がれ、命を永らえている。

しかし、故郷で過ごすうちに、
妻との関係も修復し、心を閉ざしていた息子も少しずつ
そのかたくなな心を開き始める。

そして、男はある決断をする・・・。

結局その決断を実行できないままに終わるのだけれど、
それで良かったんだと思う。

主人公が言う、
この社会はひとつの装置で、ただ人間の欲望だけで動いている、
という言葉にはっとさせられた。

その社会とは別の世界に旅立とうとしている父親に
何ができるのか?
男の取ろうとした行動は、倫理的にはよくないことかもしれないけれど、
もし自分が同じ立場であればそうしたいと思うだろう。
出来るかどうかはわからないけれど。

いろんな意味で考えさせられる話しでした。

Time of Eternity 告別      ~中川 貴之~

time.jpg


これは亡くなった人とその遺族のために、オリジナルな葬儀をプロデュースする葬儀会社の奮闘記です。

小説のようなフィクションの話しではなく、
実際に行われた葬儀を記しています。

あるときは祭り好きな父親のために太鼓を打ち鳴らし見送ったり、
釣り好きな夫のために磯を作り上げ、
亡くなった父親との思い出のテーマパークに最後に連れて行ったり。

葬儀会場を亡き人の個展会場にしてみたり、
息子の応援団の姿を写真におさめてきたり。

家族と故人の想いを胸に、納得できる葬儀を行うために
日々駆け回る葬儀社の面々。

葬儀はいったい誰のものか?
故人とその家族のものである。
だからその人たちの思いに応えたい、という強い気持ちが
文章から伝わってきます。

読み終わって、もし自分が死んでしまったら、
やはり自分の思う葬儀をして欲しいなぁ~と強く感じた。
フツーの葬儀ではなく、
自分が間違いなくそこにいたんだ、という証の
残せる葬儀にしたい。
そのためには今、いかに生きるべきか、今後の行き方まで
強く考えさせられた本でした。


最後の息子     ~吉田 修一~

lastson.jpg


爽快感200%、とってもキュートな青春小説!!という触れ込みですが・・・。

どこが?と聞きたくなるくらい爽快感はありません。
キュートでもありません。
割と重いです。

最後の息子
破片
Water       の3作品が収められてます。

最後の息子と破片は芥川賞候補らしいですが、
やはり芥川賞候補になるだけあって・・・・

もちろん主人公の微妙な心理の描き方はものすごく
上手いなぁ~と認めざるをえないんだけど、
そこに爽快感はないし、正直読後感は・・・疲れた、の一言です。

唯一「Water」には高校生最後の夏、部活に燃える高校生の爽快感が
感じ取れるんだけど。
ただ、内容よりも細かい部分で???が多かったです。
水泳部を舞台にしてるんだけど、
水泳部の3年生の最後の大会は高校総体。
高校総体は全国でも8月には終わっちゃうし、
県大会なんて5~6月には終わってしまう。
なのに、今作品では9月に県大会が開かれてます・・・。
そして、普通は予選決勝は同一日に行われるのが常識なのに、
それさえも分かってない。
世界大会では予選準決勝、翌日に決勝を持ってきてるけど、
それもここ最近のことだし。
高校生レベルの大会では同一日実施がすべてです。

何だか、取材が上手くできてないなぁ~、と思いました。

今月は吉田修一月間にする予定でしたが、
ここで挫折してしまいそうです。

ただ、

「苦しみにも2通りあって、それは、認めてもらえない者と、
 認めなければならない者とが、それぞれ1つずつ持っているのだろうと思う」 

という表現にはそうだよなぁ~、と妙に納得してしまいました。

あ、表題作「最後の息子」にはまったく触れてませんが・・・
結局上の一言を伝えたかったんじゃないかと思う。

吉田修一は読み手を選ぶ作家だなぁ、と改めて思いました。
しかし、やっぱり読んでやる!

ボーイズ・ビー     ~桂 望実~

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この夏、ママを亡くした小学6年生の隼人。弟、直也6歳、小学1年生。直也はまだママが「死んだ」ということがわかっていない。消防士のパパは夜勤が多い。隼人が直也の面倒を見なければならない。隼人には泣いてる暇はない。
 園田栄造70歳、靴職人。5年前、ばあさんが死んだ。気安く近づいてくるやつらが大嫌いだ。ガキは特に嫌いだ。わがままで、未熟なくせに姑息で、甘えてみせもする芸達者だ。

 そんな二人がひょんなことから出会い、交流を深めていく。

 最初、栄造さんの頑固さがいやで、最後まで読み勧められるだろうか?って気持ちでした。
 ただ、読み進めていくうちに徐々に栄造さんと隼人が少しずつ
近くなっていく様がほほえましくなってくる。
隼人がこないと何故だか、心落ち着かなくなり、
隼人のためにおやつまで用意している。
いつの間にか、同じアトリエの住人とも少しずつ関わりを持つようになっていく。
あんなに人付き合いが嫌いだったのに。
その辺の栄造さんの気持ちの移り変わりが、自然と描かれていて
こちらの気持ちもほぐれていった。

 隼人が心の中に溜め込んでいたものを父親にぶつけたときの、
そして、それまでの過程の隼人の心理描写が絶妙でした。
(その分、父親が悪者にも見えちゃいますが)

「県庁の星」も面白かったけど、
こちらもなかなかです。
一気に2時間で読み終わりました。

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待ち合わせは本屋さんで
かみさまの贈りもの~読書日記~
しんちゃんの買い物帳

信さん     ~辻内 智貴~

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昭和30年代を舞台にしたお話が2編。

「信さん」は主人公「私」の小さい頃の2年上の先輩。
街では札付きのワルとして名を馳せていた「信さん」も
「私」の母親の一言で生来の明るさを取り戻し、
貧しい家計を助け、妹を高校まで出してやる。
しかし、「信さん」の未来は決して明るくなかった。

本当の親ではなく、養父母に育てられてはいたが、
疎まれていた「信さん」は悪の限りを尽くす。
そこに本当の愛情を知らなかった「信さん」に
「私」の母親が本当の愛情とはどんなものか、教えてくれる。
そして生涯、「信さん」は「私」の母親に思慕の念を抱き続ける。

最後に彼の残した「モノ」は「私」の母親への本当の愛情だった、と思う。
母親の愛を知らずに過ごしてきた「信さん」が初めて知った母の愛。
そこに感動があった。
母の日も近く、改めて母親の愛情に感謝しなくては、と
読みながら思った。
しかし、最後は切なくて、とても切なくて、
やりきれなかったなぁ。

もう一編「遙い町」は朝鮮人親子の話し。
日本人に世話をしてもらって生きてるんだから、
何があっても我慢しなくてはならない、そんな風に育ってきた「ヨン」君。
本当の強さとは何か、を教えてくれる物語だった。

どちらの話しも深く考えさせられる物語ではあったけれど、
とても読みやすく、
すっと中に入り込んでいけた。
次の作品を読みたい作家にまた出会ってしまいました。


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今日何読んだ?どうだった??

焼きそば うえだ             ~さくらももこ~

yakisoba.jpg


さくらももこの ドキュメンタリー(?)作品。

要はバリ島に焼きそばの店を開いちゃおうという
突拍子もない計画の一部始終。

ほんとうに
ばかばかしいです。
っていうか、お金のある人たちのシャレを活字にして読まなくても
いいんじゃないか、と
読んでる最中から思ってしまいました。

それまでさくらももこのエッセイに関しては
割と好意的に読んでましたが、
今回の作品に関しては、
さくらももこの「自分勝手」というか、
「わがままぶり」が強調されていて
読んでて辛かったです。
こんな人だったのか・・・って感じですね。

庶民ぶっているけれど
庶民とは違う生活感覚を垣間見せられました。

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かみさまの贈りもの

はなうた日和       ~山本 幸久~

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最近お気に入りの山本幸久さんの作品です。
でもあんまり作品出てないので
すぐに全作品読破してしまいそうです。

今作品は短編8作品が掲載されてます。

世田谷線を中心にそこに住まう人々の日常。
そのため、作品中の人々が別の作品にも出てて
本当に世田谷線の日常を描いている感じが出てて
そこらへんに自分も行ってみたいなぁ~と思わせてくれます。
まぁ、作者自身が世田谷在住のようなので
地理感も十分あるんだろうけど。

作品の中では
「閣下のおでまし」にでてくる父親の節操のなさ、というか
思いやりのなさに腹が立つくらいで、
後は安心して読める(?)作品でした。

特に不倫相手の死を機会に会社を辞め、バーで働くようになった女性の
元へ不倫相手の妻が訪ねてくる「犬が笑う」。
最後に新しい恋の予感を感じさせて終わったけど、
そこがまた良かった。

男の狡さや女の狡さもきちんと描きながら
イヤな感じで終わらせないところがこの人のすごいところだな、と思う。

いいところで話が終わってしまうので
その続きをぜひ知りたいと思うんだけど、
その先は自分で想像した方が楽しいかもしれません。

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かみさまの贈りもの~読書日記~
本を読んだら・・・by ゆうき
今日何読んだ?どうだった??
本のある生活
しんちゃんの買い物帳
苗坊の読書日記

いらっしゃいませ     ~夏石 鈴子~

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大手出版社の受付嬢になった鈴木みのりを主人公にした物語。

短大を出て、一発勝負で受けた大手出版社。
あれよあれよというまに合格し、
受付に配属。

そこで大きな事件が起こるわけでもなく、
ただ日々受付業務に精を出す毎日。
4人の受付嬢の些細な日常だけど、
だからこそ、妙にリアルです。
そう、僕らの生活も彼女たちと同じように
日々平凡な毎日で、
それこそ、小説やドラマのように毎日事件が起こるわけではない。
その日常がどこにでもあり、
そしてリアルに目の前に迫ってくる。

「若い女だということはなんと淋しいことか。
 若いというだけしか価値がなく、
 それだって有効期限があるのだ。」

ボクは男だけど、
この言葉はリアルですよね。
飾らないでそのリアルさを描ける作家だなぁ~と感じた。

昼間は普通の会社員である彼女が、実際に創作活動に割ける時間は
限られている。
だからこそ、リアリティーあふれる本がかけるんじゃないか、と思う。
創作活動ばかりだと、
リアルってモノから遠くなってしまうのでしょうか?
「あるある、こんなこと」
そんな気持ちで読めた一冊でした。

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