
畠中さんの新作です。
今回も江戸を舞台にしたお話で幼馴染9人の恋物語・・・と思いきや、
やはりただの恋物語で済まさないのが畠中さん。
妖は出ないけど、
幽霊は出ます。
下っ引きの宇多を中心とした9人の幼馴染に降りかかる事件。
まずは千之助と於ふじ兄妹に降りかかる災難。
二人とも冒頭で死んでしまってます。
そしてこの於ふじがその後幽霊となって出てきます。
何故自分が死んでしまったのか、何故幽霊となって現世に留まっているのか
分からない於ふじ。
しかし於ふじに思いを伝えられていなかった宇多は
幽霊となってはいても於ふじが戻ってきたことに嬉しさを滲ます。
その後も幼馴染に降りかかる災難。
それを一つ一つ解決しながら(しかし人の心の奥深くまでは解決できず)
最終的には千之助と於ふじ、そして後半に起こる同じく幼馴染のお品の
死の謎が解けるようになってます。
聞かされれば「・・・そんなことで」という理由。
しかし、だからこそ死んでいった者の想いが切ないし、
残された者の想いも切ない。
哀しく切ない終わり方ではあったけど、
納得いく終わり方で読後感は良かったです。
宇多の於ふじへの想い
お絹の想い(多分宇多の事が好きなんだろうな)
重松のおまつに対する想い
おまつの弥太に対する想い
弥太とお染の恋
お品の千之助に対する想い
誰も彼もが思い通りにならない恋心を抱いている。
切ないね~。
しかし、幼馴染でありながら
いきなり死んでしまって
その後も名前だけでしか登場しない千之助が
一番哀れといえば哀れかも・・・。
TBさせていただいたブログ
まったり読書日記ぼちぼちかみさまの贈りもの~読書日記~ナナメモ+++こんな一冊+++苗坊の読書日記