
前の会社を上司とのトラブルで辞めてしまった涼平。
次の勤め先でもトラブルを起こし、『お客様相談室』へ。
商品のクレームから世間話まで
幅広いお客様の声と日々格闘して行くわけになるのだが、
その相談室の面々が一筋縄では行かないような人々・・・。
その中で涼平は何かを学び、一人の社会人として
成長して行く(多分・・・)
単なるサクセスストーリーではない、
どちらかといえば、
堕ちて行く転落系ストーリーに近い。
しかし、最後はスカッとする終わり方で
読んでて最後ににやりとさせられた。
長編なのに、
その長さをまったく気にすることなく
スラスラと読めてしまった。
荻原さんの描く登場人物たちが魅力的であるからかもしれない。
みんなの置かれている立場は非常に辛いものがあるんだけど、
それでも「生きている」っていう感じが伝わってくる。
一人だけ辛い終わり方を迎えてしまう人物もいるけれど、
そこが、切ないし、痛い。
それ以外は非常に面白く読めた作品だった。