
「色」をテーマにした11編のアンソロジー。
黄・青・黒・桃・緋・ターコイズブルー・金・銀・白・深緑・灰色
それぞれの色に秘められた想い。
時代物から青春物まで。
内容にも幅があって非常に楽しく読めた。
特に池永陽さんの『緋色の帽子』が良かった。
東京大空襲の前後の話なんだけど、
白い帽子が緋色に見えるほどの
激しい空爆の中、
命を落とした女の子。
その女の子のことをずっと忘れず独り身を通してきた老人。
こんな時代もあったんだ、と改めて思い起こさせる
非常に心に沁みる話だった。
宮本昌孝さんの『金色の涙』も時代物ではあったけど、
母親の子どもを思う気持ちが痛いほど伝わってきてこれも良かったな。
アンソロジーでは好きな作家さんの作品を読むのはもちろん、
こやって思いもしない作家さんの素晴らしい作品に
出会えるのもまた楽しいですね。