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す~さん

Author:す~さん
最近では本を読む時間が増え、
映画を見る時間が減少。
ブログも色々やってるのに
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どうか見てやってください。
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吉野北高校図書委員会   ~山本 渚~

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まじめな進学校の、まじめな図書委員会にだって青春はある――
まっすぐには進めなかった、もどかしい、あのころの日々。
高校生たちの悩み多き青春を、瑞々しく描き出す。

甘酸っぱ~~~い。

気の合う男友達・大地が彼女を作った。
それが何だか苦しい。
好きなわけではないのに、何でこんなに苦しいんだろう?
そんなかずらを好きな藤枝。
色んな想いが複雑に絡み合う吉野北高校図書委員会。

高校生のみずみずしさが十分に描かれている作品でした。
高校生の複雑な心境を上手く描いているなぁ、と思った。
徳島という地方を舞台にしているので
方言も何だか心地よかったです。

図書委員会って小学生の頃にしたっきり。
図書室には良く通っていたけど、
こんな感じの委員会ではなかったなぁ~。

何だか高校生の頃の放課後を思い出す、そんな作品でした。


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小美代姐さん合縁奇縁   ~群 ようこ~

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『小美代姐さん花乱万丈』の続編。
続編というか、小美代姐さんの最初の結婚から晩年までの
前作では語られなかった彼女の生活を細かに描いている。

色んな縁あって今の自分がある。
それは良縁であっても悪縁であっても
結局は自分のためになる。
そんな考え方の小美代姐さんは
どんななに辛い日々でも笑顔でだれかれに愚痴ることもなく
日々を過ごしている。

後ろを振り返らずに、前向きに歩いている
何事においても
それは大事なことだ、と小美代姉さんの生き様を見て感じた。

小さなことにこだわらず、ブツブツ不平を言わず
前向きに・・・。

そうすれば人生きっと楽しいことが多くなるんだろうな。

かもめ幼稚園   ~黒野 伸一~

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かもめ幼稚園で働き始めたちかこは、やる気のな~い毎日。
うるさいママさんグループや生意気な子供たち、日和見主義の園長、
マイペースな先輩…とうんざり。
それなのに彼氏は全然話を聞いてくれず、鬱憤はたまる一方。
もうやめちゃおっかな、と思いはじめたころ、
ちょっと素敵なパパに惹かれてしまって…!?

新米幼稚園教諭のお話です。
読んでて他人事ではないなぁ~、なんて。
相手は幼稚園生ではないけれど・・・。
まぁ、その保護者という点では同じかな。

ちかこは幼稚園教諭になって以来、
毎日毎日園児とその保護者(特に母親)に振り回されている。
良かれと思って進言すれば
園長室に怒鳴りこまれ、園長から叱責を受け、凹む毎日。
夢も希望もなくすような先輩からの助言・・・。
本当にちかこの苦悩が手に取るようにわかります。
良かれと思ってやったことが全て悪い方へ向かっていく。
あがけばあがくほどより泥沼にはまっていく。
挙句に恋人に振られ、新しくいいな、と思った人には結婚相手が。
そんなちかこの苦しさや切なさが上手く描かれている。

しかし、失意のどん底にいるときに
手を差し伸べてくれたのは・・・
やっぱり園児たちだった。

最後はほろっと来ます。
なんだかんだ言いながら
幼稚園の先生をやる気になったところで話は終わるけれど、
多分これからもちかこの受難は続くはず。
何となく続きが期待できそうな終わり方だったんだけど・・・。

しかし、保護者のなんと言うか自分勝手な論理にやはり当事者のちかこでなくても
腹が立つ。
でも、口答えは出来ないんだよね。
ストレスが溜まるのは実生活でも同じ。
これはフィクションではない。
きっとこんなことで悩んでいる人たちはたくさんいるだろうな。
しかしこの物語を読んでいくと
確かにきつかったり辛かったりするんだけど、
いや、まだ頑張ろう!ってな気持ちにもなりました。



人くい鬼モーリス   ~松尾 由美~

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ミステリーYA!シリーズ第23作目。

ひと夏のアルバイトはとある別荘での小学生の家庭教師。
そこで彼女が見たものは。

これは面白かったです。
ミステリーYAシリーズとしては
これまで読んだ中ではかなり上位に食い込みそうな勢いです。

主人公は村尾信乃。
高校生の彼女は小学生の芽里沙の家庭教師として
彼女が滞在する別荘へ赴く。
そこで彼女が見たものは、鬼(モーリス)だった。
しかし、この鬼、『人食い』ではなく『人くい』
人を食うのではなく、その残留思念なんかをくう鬼だった。
自ら人を殺めることはしない穏やかな(?)鬼。
芽里沙はそんな鬼を別荘の納屋にかくまっていた。

そこに芽里沙の母を訪ねてきたライターが死亡する事件が。
そしてその死体が忽然と消えてしまう。
モーリスの仕業か!?
訝しむ信乃と芽里沙。
そこに第2、第3の殺人が・・・。
これも人を殺めないというモーリスの仕業なのか、
それとも別の人間の仕業なのか・・・。

最後に謎は解けるけれど、
ちょっと肩透かしかな、という印象を受ける。
前半から中盤にかけてものすごい勢いで読ませる展開だっただけに
最後失速したかな、と。
あまりにも取ってつけたようなオチにちょっとがっかりしたのも事実ですが、
ただ、子どもから大人になる、その変化の大きさ、悲しみは
よく表れていたと思う。


きみが見つける物語 友情編   ~アンソロジー~

kimiyuujyo.jpg

ちょっとしたきっかけでぐっと近づいたり、もう顔も見たくないってほど嫌いになったり。
ともだち、親友、それともライバル?旬の作家が集結、
それぞれが描いた、かけがえのない友情の形とは?

坂木司
佐藤多佳子
重松清
朱川湊人
よしもとばなな

5編中3編は既読でした。
どの作品も友情をテーマにした作品でしたが
特に朱川さんの『いっぺんさん』が良かった。
いっぺんだけ願いが叶うのなら
何を願うか。
その願いが何ともいじらしかった。

このシリーズも4作目。
次はいよいよ恋愛編かな?

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hibidoku~日々、読書~
苗坊の徒然日記

気をつけ、礼   ~重松 清~

kiwotuke.jpg

重松さんの新作は
教師と生徒の関係を描いた短編集。

教師って完璧ではない。
聖人君子でもないし、神様でもない。
この作品に出てくる教師はどれもいい意味でも悪い意味でも
一人の人間である。
何も言わずに手を差し伸べる教師もいれば
もう少しどうにかならないものか・・・と思う教師もいる。
教師も千差万別。
どの教師に当たるかでその生徒の1年がかかってるといっても過言じゃない。
読んでて苦しくなる場面も。

でも、振り返ったときに
生徒から見るとどれも悪い思い出として残っていない。
もちろん現実ではそういうことばかりではないけれど、
自分の経験を振り返ってみても
生徒のときはすごく嫌いだった先生でも
今思い出すとなぜか許してしまえたりしている。

月日が経つと、いろんな意味で寛容になれるんだな。

重松さんらしく
泣ける作品もある。
腹の立つ作品もある。
でもどれもいい作品である。

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+++ こんな一冊 +++

美女と竹林   ~森見 登美彦~

bijyotochikurin.jpg

エッセイだよね?これ・・・
といいつつ内容はほとんど妄想小説になりつつある。
確かにエッセイらしくもあるけれど、
本当に竹を刈り行っているのか机上の妄想なのか・・・・
その不思議加減が妙に心地よく感じられるのが不思議だ。

竹林に対する登美彦氏の想い。
常人には理解できかねるんですけど・・・。

事実と妄想と入り混じりながら
最後の大団円へとたどり着く。
この阿呆さ加減が森見さんの素晴らしいところだと
再確認しつつ読み終えた。

あ、誰にでも理解できるものではない。
だけど、面白い。
無益だけど楽しい文章
森見さんが語るように、まさしくそんな文章でした。
途中途中「ぷっ」と噴出すところもあり、
さすがは森見さん、
そう感じずにはいられない作品でした。

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まったり読書日記
香桑の読書室
いつか どこかで
本のある生活

カウントダウンノベルズ   ~豊島 ミホ~

countdown.jpg

J-pop界のあれこれ。
ヒットチャートの1位から10位までのアーティストたちのあれこれ。

カウントダウンといいつつ
カウントアップ形式で語られる物語。

同じヒットチャートに基づいているので
10編の短編がそれぞれ微妙に絡まりながら続いている。

どのアーティストも現在もしくは過去に活躍していた実在のアーティストに
かぶってしまってなかなか興味深く読みました。
もちろん、虚構の世界だとは思うんですけど、
これは浜崎さんでしょ?これは倖田さん?もー娘。?いやAKB48だったりして。
サムエルっぽいし、川嶋さんぽかったり・・・。

でも、なんだかイマイチ心に響かなかったのは何故なんだろう?
今まで読んできた豊島さんの作品の中でも
これはちょっと読みにくかったです。

あとグループ名とか曲名が何となく古臭いって言うか
ダサいっていうか、今風じゃないって言うか、
なんていうか、こっぱずかしい感じがしたのは自分だけでしょうか・・・。

夏のくじら   ~大崎 梢~

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舞台は高知。季節は夏。そしてよさこい。

大学生の篤史は東京から祖父母の住む高知へやってくる。
高知はよさこいで有名であるが、
中学生の頃に参加したよさこいで篤史はほろ苦い経験をしていた。

大学生になり、
従弟の多郎に誘われて、地元の商店街のよさこいチームに加わる。
初めは気の進まない篤史だったが
少しずつよさこいにはまり、
そして中学の頃に参加したよさこいで出会った女性を探そうと心に決めて
高知での大学生としての初めての夏をよさこいと共に突っ走る・・・。

よさこい、といえば本場のよさこいよりもよさこいソーラン節のほうが
何となく有名な気もしたりするけれど、
本場高知のよさこいもこの小説を読んでいる限り
ものすごく面白いもののように思える。
よさこい本番もそうなんだけど、
それまでの過程が詳しく書き込まれていて
何かを作り上げる喜びとか楽しさが伝わってきて
読んでるだけでドキドキワクワク感が味わえた。

踊りの部分も本当に目の前で踊っているような迫力のある表現で
書かれていて
踊り子たちの息遣いや汗や、そういったものを感じることが出来た。

一度、見てみたいな、と思ったよさこい。

そして
篤史の願いも叶い、最後はきれいな形で終わって
清々しさえ感じられた。

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いつか どこかで

武士道シックスティーン   ~誉田 哲也~

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2年ほど前高校の剣道部に携わってました。
それを思い出しながら、読みました。
剣道って奥が深いなぁ~。

早苗と香織。
剣道に対して正反対の姿勢を持つ二人が
同じ時を過ごすうちに友情ともいえる感情が芽生えていく。

それぞれの口から語られる物語。
動の香織は何もかもが攻撃的だけど、
時折見せる不安とか弱さとか
感情の機微が非常に上手く書かれている。
静の早苗に関しても
どこか一本しっかりとした筋が通っており
読んでいて清々しいくらいだ。

武道をやっている人たちが全てこんな人たちばかりとは限らないが、
見事なまでのスポーツ青春物を堪能させてもらった。
最後は別々に別れてしまうけれど、
セブンティーンも出たことだし、
おそらくこの二人のライバル物語はしばらく続いていくだろう。
そしてそれを読めることがとてつもなく嬉しい。

セブンティーンでの二人は
どのくらい成長しているんだろうか。
読むのが今から楽しみである。


剣道に関しても
色んな説明がしっかりしてあって
剣道のことを良く知らない人でも十分楽しめる。
スピンの紅白も粋です。
思わずニヤリ、でした。

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ナナメモ
まったり読書日記
ぼちぼち

恋の花咲く三姉妹   ~赤川 次郎~

sanshimai18.jpg

三姉妹探偵団シリーズの18作品目。

今回の三姉妹は
綾子・・・女優になる。
夕里子・・・国友を獲られる!?
珠美・・・幼なじみとベッドイン??

相変わらず殺人事件に巻き込まれる三姉妹。
大物俳優の娘の殺人事件。
公園での若い男の刺殺事件から続く男性ばかりを狙う連続殺人事件。
ストリートチルドレン抹殺計画。

それぞれの事件は関係ないものの
それぞれの事件の関係者は微妙に関係しあう。
最後にきちんと事件は解決するものの
後味の悪い・・・
まぁ、こういう事件で後味の良いものがあったら
それはそれで怖いんだけど、
ただただ
三姉妹の明るさだけが
この悲惨な事件の中で明るい光になっているような気がします。


娘に語るお父さんの歴史   ~重松 清~

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1963年生まれのカズアキ(おそらくは重松さん自身)が娘に語る
お父さんの歴史。
戦争の悲惨さを知らず、高度成長期に少年期を過ごし
大きな不幸も大きな幸せもほどほどに経験してきた世代。
そのお父さんの世代にとって
自分たちが生きてきた時代は
どんな時代だったのか?

全編にわたって、このカズアキと同世代に人間には
懐かしいモノがたくさん登場する。
ただ、それを懐かしい、という「思い出」の枠に留まらせず
自分が生きてきた「歴史」として捉えると
また違った感慨が浮かんでくる。

幸せな時代だったか?と聞かれて
未来を信じることが出来たから幸せな時代だった、と
重松さんはカズアキに言わせている。
確かにそうかもしれない。
自分が小さい衣これからどんどん日本は、世界は凄いことになっていく、と
本気で信じていたあの頃は
今から考えると幸せな時代だったのかもしれない。

翻って今はどうか?
未来を信じることが出来るのか!?
子どもに未来は明るいぞということが出来るのか?
子どもの瞳が曇ってしまわないように
まだ、頑張れるうちにがんばっていかないとなぁ~、などと思った。



小美代姐さん花乱万丈   ~群 ようこ~

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花も嵐もひとっ飛び!?
大正十四年一月五日、産婆も仰天、浅草に巨大女児誕生!
長じて人気芸者となった小美代、芸を極め恋に生き、時にひとり涙する。
激動の時代を駆け抜けた女の、昭和爆走半生記。

何が面白いかって
この小美代姐さんの生き様が凄くかっこよい。

自分から芸者になることを決めた小美代姐さん。
もちろん最初から小美代姐さんではなく
学校嫌いで早く自立したがっていた美代子という女の子。
自ら芸者になることを志し、
厳しいお師匠さんの下で修行をし
徐々に人気芸者になっていく。
美人ではない、
だけど、人の心を掴んでしまう、そんな魅力溢れる小美代姐さん。
家族のため自分を犠牲にしながら芸者道を極める。

といえば、凄く美談になってしまうけれど、
この小美代姐さんはただただおっちょこちょいで
じっとしていられない性分で
後先考えずに行動して、後で反省したりして。
それでも一本道をしっかり歩いているそんな女性です。

芸者の話なので、色っぽい艶やかな話が出てくるのかと思えば
そんなものは皆無。
まぁ、ちょこっとは出てきますが、
それも何だか笑ってしまうようなお話で。

読み終わって
何だか爽やかな感じになれる一冊でした。

群さんの小説はこのほんわか温かくなる感じが大好きです。

長生き競争!   ~黒野 伸一~

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「どうせなら金を賭けないか?誰が長生きするか」。
聡、弘、明男、正輝、博夫、規子の6人は、小学校時代からの幼なじみの76歳。
全員ヒマな上、比較的元気なので、時折同窓会を開くが、どこの誰がボケただの、
病気で死んだだの、暗い話題ばかり。
そんなある日、6人の中でも最も明るくマッチョな明男が、こんなラテンな提案をして…。
高度高齢化社会をやさしい希望で照らす、渾身のヒューマン・エンタテインメント。

誰が最後まで生き残るか、
非常にきわどい賭けだな。
本文にもあるように『老人版バトルロワイヤル』。
まぁこちらの場合は放っておいても一人ずつ脱落していくんだけど(黒笑)

この6人に若いエリという女の子も参加する。
その理由はここではいわないけれど、
ちょっと安易な設定だな、と不快感もある。
が、この子を出さないと話が展開していかないからしょうがない。
でも、他の理由だってあっただろうしなぁ~。

一人ずつ、減っていく。
賭けをしてから決着がつくまで8年ほどかかるんだけど、
本当に一人ずつ一人ずつ
ろうそくの火が消えていくように命を落としていく。
悪趣味な作品だとも思えるかもしれないけれど、
それぞれの死生観を興味深く読むことが出来た。

そもそもこの賭けも、賭けをすることで張り合いを出して長生きしようという意図で
始められたもの。
こういう賭けもいいのかも。
死んででなるものか、逆に元気になってしまうかもね。

切なくもあり可笑しくもあり
しかし、死に関して考えさせられるお話でした。

なぎさの媚薬5 霧の中のエリカ   ~重松 清~

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渋谷の娼婦、なぎさと今夜出会うのは
幼なじみを殺された邦彦。

邦彦の幼なじみのエリカはある時を境に非行に走る。
髪を金色に染め、高校も中退し、
夜毎男と遊びまわっている。
毎晩、男に送られて帰ってくるその家の前で
男とのセックスにおぼれる。
邦彦はそれを毎晩自分の部屋から盗み見ていた。

エリカはその男と結婚するが、
数ヵ月後、その男と仲間たちに殺されガソリンをかけられ
焼かれてしまう。

その事件後、学校に行けなくなった邦彦は渋谷の街で
娼婦なぎさと出会う。
なぎさと出会った邦彦はエリカを救うために過去へ戻っていく。
邦彦はエリカを救うことが出来るのか。

これまでのシリーズの中で一番辛く切なく、そして怖い作品でした。
同じような事件が過去にもあった。
たとえば、コンクリート詰め殺人事件とか。

読み進めるのも辛くなるような
描写が多くて
だからといって目を背けることはできない作品だった。

性犯罪を扱っているので嫌悪感を持つ人もいるかもしれない。
でも、面白おかしく描いているんじゃなくて
事件のルポも手がけている重松さんだからこそ書ける作品じゃないか、と思う。



マリッジ:インポッシブル   ~藤谷 治~

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引田輝子 テレビディレクター 29歳。
そろそろ結婚が気になるお年頃。
そんな輝子がいよいよ結婚に向けて動き出した。
輝子、結婚できるのか!?

藤谷さんの作品は
非常に読み安かったり読みにくかったり
その時々によって大きく変わるんですが、
この作日は非常に読みやすく、すらすらと読めました。

結婚したいがために
合コンに出かけ、見合いをセッティングしてもらい、
どれも失敗すると、いわくありそうな結婚相談所に入会。
結婚相談所が主催するクルージングパーティーに参加するも
参加者は・・・「おいおい」と突っ込みたくなるようなメンバー。
結局いろいろあって結婚相談所も退会するわけだけど、

でも、でも、

実は出会いは非常に身近なところにあったりするわけで。
最後輝子が結婚できるかどうかは、
答えは出ていないけれど
何となく結婚できるかもね、という終わり方でした。

何よりも輝子のキャラクターもそうですが、
特に結婚相談所関係のキャラクターが強烈すぎて
笑えました。
所々に入る藤谷さんの輝子への突っ込みも
余計だ、と感じる人もいるかもしれませんが、
ちょっとしたアクセントになっていてこれはこれで良かったです。

女子は、一日にしてならず   ~黒野 伸一~

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孤高で巨大な女の子の成長と減量の物語。
幼少時から巨大な容貌故に、孤高に生きてきた主人公。
彼女は、詐欺事件に巻き込まれたことで友情や家族愛に目覚める。すると、
体にも変化が訪れた!内面が変われば外見も変わる?心のデトックス小説誕生!

女の子というか、
28歳の女性の話なんですけどね。

小さい頃から太っていた奈美江が主人公。
何よりも食べることが大好き。
4Lから5L、5Lから6Lとサイズアップしていく奈美江が加入したのが
「ファット イズ ビューティホー」をスローガンに抱えた
FBクラブ。

このFBクラブが凄い。
巨女ばかりのこのクラブでは
ただ食べて食べて食べてを繰り返すへんなクラブ。
そして太っていることこそ美点であるというクラブ。
が、太りすぎは体に悪いだろ・・・。

そんなFBクラブの主宰する合コンに参加した奈美江は
南原という小説家と知り合うが、
実はこの南原が曲者で・・・。
奈美江はすっかり落ち込んでしまいます。
が、これを契機に自分を見つめなおすことに。
そしてダイエット開始。
奈美江は美しくなれるのだろうか?

これは面白かったです。
奈美江のキャラクターが強面でみんなに恐れられる存在。
でも、恋をしてからの奈美江が非常にかわいらしく描かれていて
そしてある事件をきっかけに自分を見つめなおす過程が
すごく良かったです。

で、女性の体型についての世間の見方も
辛らつに批判している内容もグッドでした。

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いつか どこかで

夫婦1年生   ~朝倉 かすみ~

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心がほっこり温まる愛にあふれた新婚小説!
結婚したばかりの青葉と朔郎、「夫婦一年生」カップルの日常を描いた連作長編。
出会い編、料理修行編、ご近所付き合い編、3億円宝くじ妄想編、
初めての来客編、ダンナの看病編、心がほっこり温まる愛に溢れた6編。

各章にその内容を表した4コマ漫画が描かれていて
またこれが非常にかわいらしかったりするのだ。

お互い30を超えた新婚さん二人の
何だか微笑ましい日常が良かったです。
もちろんケンカもしたりするわけだけど、
まぁ、そのケンカも犬も食わない程度のもので、
新婚ってきっとこんな感じなんだろうな、どこも、と
結婚したことのない自分は想像するだけです。

ベタ甘な展開ではく
さらっと読める新婚物語でした。

新妻青葉の夫に対する口調が何ともいえない味がありました。

ct の深い川の町   ~岡崎 祥久~

ct.jpg

芥川賞候補作。

「何もかもが嫌だ」 四十男が遁走した先は、急行で40分のビミョーな郊外(ふるさと)。
誰も待つ人のない故郷で、タクシー運転手となった男の閉塞的な日々をユーモラスに描く。

とあるんですが、
どこにユーモアが?
と聞きたくなるようなお話でした。
何もかもが嫌になった、と言ってふるさとに戻る。
しかし、そこには彼を待つ家族もいない。
同級生の勤務するタクシー会社に入社し、
タクシー運転手としての日々を過ごしていく。
タクシーの乗客やら、同級生の女性やら、同僚の若い女性、風変わりな同僚たちとの
日々の中で
彼の心は何かに満たされていくのだろうか・・・。

先が見えない、と言うか
明るい兆しが最後まで見えない話で
途中読みにくくてしょうがなかった。
非常に暗い話と言うわけでもなく、
淡々とした日常を淡々とした口調で語られても
どこに面白みを感じればいいのやら・・・。

たった百数ページの本なのに、
読み辛さは、さすが芥川賞候補作、と言わざるをえないくらいです。

筆者がこの物語を通して伝えようとしたこと、
あるいは伝えたいことが何なのか
自分にはまったくもって分からないままでした。
凡人には分からなくてもいいのかな?

装丁が非常にかわいらしいので。手にしたんですけど、
痛いしっぺ返しを食らった感じで
読み終えました。

やはり芥川賞に関わる作品とは合わないなぁ~、と再確認したところです。

別冊図書館戦争Ⅱ   ~有川 浩~

toshokanbessatu2.jpg

完結編。
気になるあの二人も落ち着くべきところに落ち着いた、という感じ。

別冊なので
図書を巡る良化隊との攻防は本編ほどないので
恋愛物として楽しむことが出来る1冊。
1ほどベタ甘ではないので
人前で読んでも大丈夫な1冊です。

前5章からなり
1は副隊長緒方の若かりし頃の恋物語。
2は堂上小牧の若かりし頃の物語。
3~5が柴崎・手塚の恋物語。
柴崎・手塚に関しては図書館戦争の頃より
絶対にどうにかなるだろう、でもどうにもなって欲しくない、という
個人的な願いもあったけれども、
やはり、という展開で・・・・。

しかしこうならないと納得できないかなぁ~とも思いつつ、
二人の気持ちを確かめる事件が
こういう事件だと、ちょっと後味悪くないですか?有川さん。
柴崎ファンとしては・・・。

緒方副隊長のエピソードを持って来られたのは意外。
てっきり小牧・毬江コンビか玄田隊長あたりの甘い話かと期待してましたが、
これはこれで切ない、しかし、今後の展開は甘い話になるんじゃないか、という
期待も大きい話でした。

あ、郁&篤の堂上夫妻も随所に相変わらず甘い関係を
魅せてくれてるのが何よりです。

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きみが見つける物語 休日編   ~アンソロジー~

kimiholiday.jpg

このシリーズも3作目。
今回は休日編と銘打って、学校から離れた学生たちの休日(?)を
描いています。
今作では、
角田光代、恒川光太郎、万城目学、森絵都、米澤穂信の5人。
万城目さんは『ホルモー六景』より「ローマ風の休日」。
それ以外はもちろん初読みの作品でした。
恒川さんと米澤さんの2作品が良かった。

小学校卒業した女の子から大学生までの幅広い年齢層のお話でしたが、
どれもなかなかでした。

恒川さんの『秋の牢獄』と米澤さんの『夏季限定トロピカルパフェ事件』あたりは
ちゃんと読んでみようという気持ちになりました。

メリーゴーランド   ~荻原 浩~

merrygoround.jpg

公務員も大変なんすよ。
なんて声が聞こえてきそうな・・・。

主人公啓一が出向を命じられたのは
赤字を抱えたテーマパーク、アテネ村。
再建を託された部署にはやる気のなさそうな面々ばかり。
その中で奮闘する啓一だが・・・。

良くも悪くも公務員ってこんな感じ、と揶揄とも取れる内容に
そうそう、お役所ってこんな感じだよな・・・と数ヶ月臨時で市役所にいた自分は
思ってしまう。
もちろん全ての公務員がそういうわけではないけど、
やる気のなさがありありな公務員もいるわけで
そういう人を見ると批判されてもしょうがないかなぁ~なんて思ってしまうこともある。

でもでも、
頑張って仕事している人も多いんだよ~ってこの啓一を見てると
大きな声で叫びたくなります。

市役所の職員だって
市長が変われば配置転換なんて当たり前。
市長の気持ち一つでイロイロ変わってしまうこともある、と聞きます。

このお話も最後はそう。
報われないことが多いのに
頑張らなくてはいけない、
それが働くということ、
そんな結論を抱きました。

物語では啓一の昔なじみの劇団のメンバーが
非常に個性的で
この面々のおかげで
ユーモアたっぷりなお話に仕上がっています。

さすがの荻原さん、
仕事に奮闘する人間を
ユーモアたっぷりに描くのはやはり上手いです。

いろんな気持ちが本当の気持ち   ~長嶋 有~

ironna.jpg

長嶋有さんのエッセイ集。
色んなところで書かれたエッセイをひとまとめにしたもの。
だから内容がばらばらだったりするわけだけど、
似たようなテーマのものをまとめて章立てにしてあるので
そこまで読みにくくはない。

長嶋さんの小説は
さーっと読むことができない。
一度読んで
また戻って読み直して
そんな作業を繰り返しながら
読む作品が(自分が読んだ作品では)多いんだけど、
エッセイも時に?なところがあって
もう一回読み直したり・・・。

軽く読めないわけではないけれど、
軽く読もうとすると痛い目に合う、そんなエッセイ集でした。

塩の街   ~有川 浩~

saltcity.jpg

なるほどこんな話だったのか・・・。

完全なるSFものかと思いきや、
やっぱり有川さんですね。
これは間違いなく恋愛小説ですな。

確かに舞台はSFチックで
(人間が塩になっちゃうなんて・・・・)
陸上自衛隊を登場させ、
戦闘機も飛ばし、
地球に平和を取り戻し、
一件落着と思わせる物語は
円谷プロにでもお願いしたいくらいのものですが、

が、

が、

秋葉と真奈の二人を見ていると
あ~ベタ過ぎるぞ、これも・・・。
番外編に出てくるノブオなんて存在も
甘~い二人へのちょっとしたスパイス?みたいな。

でも、この甘~いお話とSFストーリーを見事に絡ませている
有川さんの凄さ、いや、恐ろしさ(?)を感じずに入られません。

世界なんてどうでもいい、
この人が助かってくれれば、
なんて普通書けないですよ。
でも、実際世界中に人が助かっても自分の愛する人が死んでしまっては
個人のレベルでは堂でもいいことなんだな~、って。
世界<好きな人(愛する人)
確かに一理ある、と納得してしまった。

あ~入江のキャラが強烈過ぎて・・・
好きになれない・・・。
でも、あの(夏の風物詩)TV番組が嫌いだ、という点では
思わず同意してしまう自分・・・。

番外編の方がラブラブ度が高くなっていて
これはこれでまた楽しいですね。

いっちばん   ~畠中 恵~

icchiiban.jpg

ご存知『しゃばけ』シリーズの最新刊

タイトル作の『いっちばん』が一番良かったなぁ~。
妖たちにとっての「いっちばん」は
やはり一太郎で、
その一太郎を喜ばせようと
妖たちが知恵を絞って一太郎の気に入るようなものを
探そうとする。
読んでいると何かほのぼのとしていて
思わず笑みがこぼれてくるような話でした。
もちろん本編は一応事件が起こり、
それを解決しようとする一太郎もいるんですけど・・・・。
一太郎の活躍よりも妖たちのかわいらしさの方が目立つ作品でした。

そろそろネタ切れか!?と思いつつ
今回は栄吉やお雛にもスポットを当て、
目先を変えているけれど、
その分、妖たちの活躍が見られないのがちょっと残念ですね。

まぁ、栄吉の話は
ほろっとさせられたりもするんですけどね。

次作ではもっと妖たちが活躍する話も読みたいものです。

TBさせていただいたブログ
まったり読書日記

たまげた録   ~原田 宗典~

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原田さんの久々新作。

「驚いて」こそ、癒される! 現代人は1日に何度、驚いているだろうか?
いや、数年に一度か。みんな、もっと積極的に驚こうではありませんか!
──「驚き」について語る、抱腹絶倒エッセイ

日常的に驚くことは良くある。
今度のエッセイ集は
その「驚き」にスポットを当てた
これまた抱腹絶倒のエッセイ集。
何よりもシモの話がさすがに面白い。
トイレで繰り広げられる驚きの数々。
誰にだって経験はあるはずだ!

他にもちょっとした驚きが、何気に日々のストレスを解消してくれる!?
そんな話になるほどなぁ~と納得してみたり。

驚くことは
喜怒哀楽の一つ。
感情を素直に表に出すことは
やっぱり大事なことだと思う。

何よりも原田さんの新作が読めることがうれしい・・・。


みぞれ   ~重松 清~

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思春期の悩みを抱える十代。
社会に出てはじめての挫折を味わう二十代。
仕事や家族の悩みも複雑になってくる三十代。
そして、生きる苦みを味わう四十代――。
人生折々の機微を描いた短編小説集。

あらゆる世代のお話をちりばめた珠玉の作品集です。

10代から40代まで
もちろんその年代を通り過ぎた重松さんだからこそかける作品集だとは思う。
そして同じく40代に入ってしまった自分にも
似たような経験として自分の身に置き換えても
十分に分かる話が多かった。
ただ夫婦ものは・・・
独り身の人間には分かりづらいところもあるんだけど、
結婚してなくても
なぜか少しは分かるような気もするから
そこは不思議だ。

重松さんの筆力のおかげだと思う。

どちらかといえば
30~40代の話が多いので
共感できる部分が多く、
途中読むのが辛くなってしまうところも。
結局読んでいる自分にも跳ね返ってくる物語の奥の深さに
やるせなさが襲ってきたり・・・。

『息をするようにお話を書きたい』
という重松さんの言葉。
息をするようにお話を読みたい
そう感じられる作品集でした。

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いつか どこかで

うたうひと   ~小路 幸也~

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歌や音楽に関連する短編集。

誰の世界にも歌や音楽がある。
自分の経験や体験を歌や音楽と共に覚えている人も多いだろう。
ある歌を聴いて
あの頃は~、とすぐに思い出すことだってある。
そんな身近な音楽を
さらに身近に感じることの出来る1冊。

どの作品も深く音楽に携わっている人たちの物語なので
共感できる部分ていうのは
少ないかもしれないけれど、
その根底に流れているものは
みんな同じだろう、と思う。

最初の数編は少しずつリンクしあいながら
後半の物語は独立した形で
書かれている。
最後の1編はドリフターズをモデルにしたもの。

ここでの「うたう」ひとというのは
歌うという意味だけではなく
心の思いを伝えること、のような気がします。

走れ!T校バスケット部2   ~松崎 洋~

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1、に続き、2もまさに漫画チック。
1で生徒たちのその後が書かれていたので
これでおしまいか、とも思ってましたが、
2、はと大会で優勝した後のウィンターカップから高校卒業までを
描いている。

が、1で描いた彼らの未来に合わせようとしているのか
中盤にバスケとはまた違う話を盛り込んでいたんだけれど
それがちょっと蛇足だったかな、と。

バスケの話ならバスケの話で最後まで突っ切って欲しかったかな、と。
1での人気を得てからの執筆だったのかな?
ちょっと無理やりな展開に・・・でした。

もう、これは漫画としか言いようがない。
小説として読むには
ちょっと物足りないかな、と
思わざるをえません。

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しんちゃんの買い物帳

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