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す~さん

Author:す~さん
最近では本を読む時間が増え、
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ブログも色々やってるのに
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へんてこ隣人図鑑   ~原 宏一~

henteko.jpg

奇妙なこだわりに固執する人間に振り回される周囲の戸惑いを描く、
シニカルなユーモア溢れるショートショート集。
家の匂いを嗅いで価値を鑑定する“ホムリエ”に惚れられた家の住人、
あらゆるものの“以前”が気になる男に詰め寄られる若者、
純粋に穴を掘りたくて仕方ない男など、
「へんてこ」な人間が引き起こす騒動の顛末とは?
ほか、普段は口に出せないような悪趣味な自慢話を聞く男の悲哀を描く「自慢結社」を収録。

どの話に出てくる人たちもちょっと変わった人たち。
周りにいたらまず避けたくなるような人もいれば、
面白いなぁ~と思う人もいる。
この世は広い。
実際にこんなへんてこな人たちはきっといるはず。

原さんのショートショートは初めてでしたが、
なかなか面白く読めました。

最後の『自慢結社』はショートショートではなく
特別に収録された作品だけど、
この作品の黒さも心に残るものでした。




極楽カンパニー   ~原 宏一~

gokuraku.jpg


定年後、暇をもてあまして図書館通いをしていた須河内賢三は、
同じ境遇の桐峰と出会った。
会社勤めの思い出話で意気投合した二人のオヤジは「会社ごっこ」をしようと思いつく。
駅前の喫茶店をオフィスに見立てて、「出勤」する毎日が始まった。
やがて、会社ごっこは定年世代の男たちの熱い支持を得て、全国に拡大していく…。

定年後、暇をもてあましていた人びとが
フェイク会社を作って
会社勤めをしていたときのように
日々を過ごしていく様子が
読んでいて、何だか切なく、
しかし、それだけ打ち込める仕事を持っていることは
やっぱり素晴らしいことなのかもしれない。
ただ回りの家族にとっては迷惑だったりもするわけだけど。

人って何か熱中するものがないとダメなんだな、と改めて感じた。
しかし、それが会社勤めというのもどうだろう?

このフェイク会社がその後どんどん問題をはらんでいく。
ただただ「会社ごっこ」だけの話しですまず、
しっかり社会問題も取り入れているところが
原さんらしい作品でした。

ムボガ   ~原 宏一~

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中年オヤジバンドがアフリカで大人気。
そのアフリカの某国で音楽祭に参加し、
一躍大人気者になった中年バンド、コレステローラーズ。
日本に帰ってきたら
アフリカでの人気の影も形もない。
現実と思い描いていた姿のギャップに打ちのめされながらも
仕事をやめ、東京に出、メジャーデビューを目指す。

ただ、この物語は中年オヤジバンドの挫折と成功という物語ではなく、
ここに絡む黒人を通して
外国人の就労問題や日本の農業問題に
鋭くメスを入れている・・・と個人的には思う。

ただのエンターテイメントな作品ではなく、
しっかりとこれでいいのか!?日本!!という気持ちにもさせてくれる。

でもしっかり笑わせてくれたりもするんですけどね。

かつどん協議会   ~原 宏一~

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『かつどん協議会』
『くじびき翁』
『メンツ立てゲーム』の3作品からなる短編集。

『かつどん協議会』では「かつどん」のメインは一体何か?
肉か?玉ねぎか?卵か?いや、米か!?
かつどんの未来のためにそれぞれの業種が喧々諤々やる協議会。
あまりにも馬鹿らしい内容であるけれど、
くすっと笑えてしまう作品でした。
いや、一体かつどんのメインは一体何なのか?
考えてしまうような作品でした。

国の重要な政策をくじびきで決めてしまおうと提案する
爺さんを描く『くじびき翁』も現代日本をちくりと風刺していて
これも面白い。

原さんの描く世界は
現代社会に対する皮肉が込められているようです。
奇をてらった作品ではあるけれど、
こういうのがあるとまた日本も変わるのかな?と思わせられる
作品集でした。

こたつ   ~原 宏一~

kotatsu.jpg

プロポーズした相手は、室町時代から500年以上続く“こたつ道”総本家の跡取り娘だった!
当代家元が認めない相手との結婚はできないと言われたおれは、
「修行を積んで師範になってみせる!」と宣言してしまった。
が、“こたつ道”を侮るなかれ。
入る前に他人の目前でもいったん全裸になる「序寒」に始まり、
足を抜くまで、恐ろしいほど事細かに所作が決められていた!!

なんてすごい話でした。
華道や茶道と同じ芸道でありながら
知る人ぞ知るこたつ道。
正式な入り方から楽しみ方まで
細かく描かれており、
実用書としても最高の1冊です。

って、こたつ道って創作ですから・・・。

いや、本当にこんな芸道があったらすごいなぁ、と思いました。
で、マジでどの芸道にも負けず劣らず厳しいしきたりなんかあったりして
ぷっと笑い飛ばすには忍びないくらいの細かさ。
ここまでしてこたつになんか入りたくないよ、と
思わせてしまうほどの細かい描写に驚きと共に感嘆。

主人公「おれ」のこたつに対する認識の変化、そして彼女との結婚のために
頑張るその姿。
ただの妄想とは一線を画した感のある
読み応えある、でも面白い本でした。

もう一編の作品もなかなか面白かったですが、
やはり、このこたつをお薦めです。

天下り酒場   ~原 宏一~

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経営不振の割烹居酒屋『やすべえ』の店主ヤスは、ある人物を雇って欲しいと常連客に頼まれた。
それはなんと、片倉という県庁の役人。
居酒屋に天下った片倉は元役人の事務能力を発揮、食材の一元管理と仕入れの効率化で
店を黒字に転じた。勢いにのった片倉はヤスに店舗拡大を唱え始めるが…

県職員の天下り先に居酒屋チェーンを利用する。
現代の天下りを鋭い目線で皮肉っている感がして
結構面白かった。
このほかの作品も単なるお話ではなく
ボランティアでやってきた女性がその家の主婦の座を乗っ取り
元の主婦は同じようにボランティアとして別の家にもぐりこんでいく話な
ところどころにブラックな感情を入り混ぜている。
世間を斜めに見るとこういう風に見えるのかも。
面白さと同時に
薄ら寒さも感じた1冊でした。

今の日本、どこかおかしいぞ、と感じずにはいられない、
そんな批判精神が垣間見える作品でした。

あ、でも作者はそんなこと思ってないかもしれないけれどね。

床下仙人   ~原 宏一~

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シュールですよね。
仕事にかまけているうちに
床下に入り込んだ仙人の様な男に
家も家族も乗っ取られてしまう男の話。

会社を倒産させられた男が復讐のために
その会社に社員としてもぐりこみ
専務の追い落としを図る。

男社会にうんざりした女性たちが
男社会に反旗を翻すも・・・
仲間割れから大変なことに。

派遣社員あらぬ派遣社長に振り回され
結局自分も派遣の身に。
ありとあらゆる会社が全て派遣社員たちで埋め尽くされ・・・
そんな現実を何とか変えようと決意する。

仕事もリストラされ、家族からも見放された中年男が
靴磨きの女の子と
擬似家族を演じる。

どの話も現代生活や現代社会を風刺した感じの話で
ところどころユーモアも交えているけれど、
振り返るとやっぱりシュールな感じで
どことなく薄ら寒さも感じてしまう作品でした。


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