
読み応えあり。
ワタルは母親と二人小さな町で暮らしている。
よそ者の二人に町の人たちは冷たく、二人をかたくなに受け入れようとしない。
幼稚園の頃から人と違う行動を取るワタルに友だちはなく、
いつも一人で母親の帰ってくるのを待っていた。
見た目が普通の日本人ではない渉に友だちはできず、
いつも遠巻きに見られる存在だった。
そして自分の出生に疑問を抱いていたワタルは
自分の父親は『クロマニヨン人』だと結論付ける。
それからのワタルは自分で石器を作り出し、
自分をクロマニヨン人の子どもとして見ることで
自我を保つことが出来るようになった。
そんなワタルにも友達ができる。
別の街から引っ越してきた少女サチ。
二人の関係は18になるまで続いていく。
二人がお互いの存在をかけがえのないものとして・・・。
450Pに及ぶ長編で幼稚園時代から高校卒業前までを
一気に読ませます。
出生の秘密。
もちろん『クロマニヨン人』の息子であるはずはないんだけど、
そして本人も年齢を重ねていくうちに
そんなことはありえないということも分かっているけれど、
自分が何者か分からない、
だからこそそこに自分のアイデンティティを求めてしまう
ワタルの気持ちが痛いほど読み手の心に伝わってくる。
そのワタルを支えている母親の存在とサチの存在。
すごく切なくて、すごく素敵な関係だと思う。
このまま幸せになってくれるのが一番なんだろうけど、
荻原さんは・・・・。
最後はこんな感じで終わってしまうのか・・・とちょっと不満に思いましたが、
ちゃんとした結末に繋がっていて安心しました。
ちゃんと読み手の心も分かってるなぁ〜って感じで。
久しぶりに長編に挑戦したので、途中しんどくもなりましたが、
読後感は最高に良い!の一言です。
最後はちゃんと読者がその後を想像できるような終わり方だったし、
満足いく内容でした。
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