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Author:す~さん
最近では本を読む時間が増え、
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ミサコ、三十八歳   ~群 ようこ~

misako.jpg


ミサコは三十八歳。

あ、俺と同じ年だ。
そんなミサコは文芸誌の編集者。
副編集長として頑張っている。
2年前にマンションも買った。
同居人はマンションの入居日に拾ったネコのあーちゃん。
毎朝仕事に出かけるときに
ふと、これでよかったのか・・・と感じてしまう。
独身、
ちょっとか肩身が狭い。
だからといって結婚なんて、相手もいないし。

あ~~俺の女版ですか~?ってくらい。
まぁ、家は買ってないし、
副編集長なんて肩書きもない
たかだか主任クラスですが・・・。
もちろん、編集者ではありません。

でもなんとなくミサコさんの気持ちも分かるなぁ~。
男だって、結婚してないと
何かと既婚者にいいように使われたりするし。
このままで良いのか?なんて思いつつ、
仕事と家の往復で・・・。

寂しいぞ~。

だからといって結婚する気も起こらず。

男なので、微妙な女性の気持ちの機微なんか分からないけど、
なんとなく、
「そうだよな~」なんて
同意するところも多々ある。

群さんの作品は本当に読みやすい。
で、的を得た表現や描写が多くて、頭痛い(笑)

しかし、ミサコさん同様頑張らなくては!と思った独身男でした。

それ行け!トシコさん   ~群 ようこ~

toshikosan.jpg


久々群さんの作品です。
トシコ28歳、資産家の息子と晴れて結婚、寿退社!のはずが!?
どうして私だけがこんな目に!? 
惚け始めた舅に新興宗教にはまる姑、頼りにならない夫、
反抗期と受験を迎えた子供。襲いかかる受難に立ち向かう妻トシコは・・・

というトシコさんも40歳を超えてますが・・・。
この作品には色んな要素が詰め込まれています。
嫁姑問題。認知症。老人介護。新興宗教。親子関係。受験。
どれかひとつでもあると大変なところ、
トシコさんはすべてを抱えてしまう。
夫は当てにはならない、
ならば自分が頑張るしかない!
そんなトシコさんの物語。
抱腹絶倒、とは言えないのが難ですが、
まぁ、それは抱えている問題が誰にでも起こりうることで
ちょっとだけ自分のことと置き換えると頭が痛くなる
問題だからかな。
もちろんユーモアたっぷりで、笑いもあり、でも苦悩もあり、
そしてほっとできる、そんな不思議な小説でした。

軽いエッセイもいいですけど、
こういう小説もまたいいですね。群さん。

ヒガシくんのタタカイ    ~群 ようこ~

higashi.jpg


中学生ヒガシケイタくんの半生(?)

小学生のころに母親がフランスに行ってしまい、
現地で恋人ができて父親と離婚。
そのまま父親の元に。

中学に入る頃父親再婚。
母親と高校生の姉ができる。

中学2年生になると彼女もできる。
しかしその彼女に振り回されて心休まることもない。
そして振られる。

中学3年も終わる頃母親と再会。
しかし、盛り上がるのは母親だけで、本人盛り下がる。

そんなヒガシケイタ君の日常を描いた作品。
中学生ならではの心の揺れ。
それを上手く描いてます。
思春期が始まる頃にいろんな出来事が起こり、
それにむかつきながら、
でも、流されるしかないヒガシくんのやるせなさ。
そんなものがきちんと描かれていて、
読んでいて逆に清々しかったです。

ヒガシ君の相手の女子中学生が
本当にイマドキの女子中学生で
腹が立ちましたけど(笑)。

エッセイもそうだが、群ようこの小説は割と面白い。
「山田一家の辛抱」にしても「かもめ食堂」にしても。
さて、もう一作読んでみようかな。

かもめ食堂        ~群 ようこ~

kamome.jpg


映画「かもめ食堂」原作。
ヘルシンキの街角にある「かもめ食堂」。日本人女性のサチエが゙店主をつとめる食堂の看板メニューは「おにぎり」。だけどお客は日本おたくの青年だけ。そんな「かもめ食堂」に二人の訳あり気な日本人女性がやって来て・・・・・・。

映画とリンクして書かれた作品です。
登場人物とそれを演じる女優さんが見事にイメージがあってしまいます。
きっと女優さんをイメージしながら書いたんだろうなぁ~・・・。

ちなみに食堂オーナー、サチエに小林聡美。
指差しでフィンランドに来てしまい、その後カモメ食堂を
手伝うミドリに片桐はいり。
両親を亡くし、弟夫婦にも邪険にされ、フィンランドに来てしまった
女性マサコにもたいまさこ。

キャストだけでも面白そうです。
お話しも大きな事件とか起きるわけではなく、
フィンランド・ヘルシンキで食堂を開いたサチコとそこにただで
コーヒーを飲みにくる日本かぶれのフィンランド人青年。
そして心に重いものを持ってフィンランドにやってきた女性二人。
一人でも手持ち無沙汰だった食堂が
だんだんと客が増え、それに合わせて、ミドリがマサコが店員として
働くようになっていく。
そこに夫に逃げられたおばさんや、元泥棒のおじいさんが絡んで
話は進んでいきます。

読んでいて何故だか心がほっかりする物語でした。

映画もぜひ観てみたい。
芸達者な3人なのできっと面白い映画になるだろう。
できればミドリ役は室井滋でお願いしたかった・・・。

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